服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第561回
ブラック・スーツを楽しむ法

ブラック・スーツを着たことがありますか。
ここでのブラック・スーツは
礼装用ではありません。
ビジネス用としてのブラック・スーツで、
ここ数年の新しい傾向と言って良いでしょう。
日本人は主として黒髪、黒い瞳ですから、
私は似合うと思います。

余談ですが、ベージュのスーツに
ブルーのシャツがぴたりと決る西洋人がいますね。
あれはやはり栗色の髪と青い瞳を抜きにしては
語れないのではないでしょうか。

黒い色は日本人にふさわしい色だと思います。
またこんなに美しく、便利な色を
冠婚葬祭用ときめつけることもないでしょう。
でも、黒はやはり印象の強い色です。
その強さをどのようにして柔らげるかが、
着こなしのコツになります。
表現を換えるなら、
黒を上手に中和させることを心掛けましょう。

たとえば黒のスーツに白いシャツを合わせると、
コントラストが強くなります。
強くて良い場合もあれば、
良くない場合もあります。
これも一例ですが、淡いブルーのシャツを着る。
たったこれだけでも、
ブラック・スーツの印象がやわらかくなります。
次にネクタイをどうするか。
ここは奇をてられずに、
シャツの色系統と揃える。
つまりダーク・ブルーを基調にしたネクタイを締めるわけです。
おそらく統一感のとれた、
爽やかな感じになるでしょう。

同じように淡いグレーのシャツを着る方法もあります。
そしてネクタイには
ダーク・グレーを基調としたものを選ぶ。
もちろんそれはストライプをはじめとする
さまざまな柄で良いし、
そのなかに強い色が混ざっていても
まったく問題ありません。
というよりもかなりシックな着こなしになるはずです。

また意外に知られていないことですが、
黒とグリーンはたいへん相性の良い色です。
つまり淡いグリーンのシャツに
ダーク・グリーンのタイを合わせる方法もあるでしょう。

黒は基本中の基本であり、
だからこそ思う存分、
着こなしを楽しむことができるのです。


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