服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第562回
理想のサマー・ウェア

ドウシテオトコハねくたいヲシメルノカ、
と考えたことありませんか。
窮屈だし、暑苦しいし、
無用の長物だと思うこともあるでしょう。
そこで実際にノオ・ネクタイにしてみると、
なにか忘れ物をしたような気分になる。
なかなか難しいものです。

古代エジプト文明をはじめとして、
およそ文明のあるところ、
首飾りがありました。
装飾であり、地位の象徴だったのです。
もっとも目立ちやすいところ、
もっとも効果的に飾ることで、
その人物を表現しようとしたのでしょう。
つまり現在のネクタイは
古代の首飾りの名残りなのかも知れません。
そうすると、今すぐにネクタイを捨ててしまうのは、
無理というものです。

やがて夏が来、盛夏となる。
せめて夏の間だけ、
新しいサマー・ウェアを考えようではありませんか。
ノオ・ネクタイでは失礼だというのなら、
軽い、薄い、小型のスカーフをネクタイ代りにする。
男はなにか「首飾り」がないと不安なので、
小さなスカーフを近未来の「首飾り」だと考える。

ビジネスであろうとディナーであろうと、
盛夏に際しては白麻のシャツでよろしい。
もちろんネクタイなんかしない。
第一ボタンを外して、涼やかに着こなす。
そしてもし「首飾り」が必要なら、
首に麻のスカーフを結ぶ。
淡いブルーや淡いグリーン、あるいは淡いピンク・・・。

シャツにタイを結ぶよりは
はるかに快適なサマー・ウェアになるはずです。
当然、上着は無用。
オフィスでも銀行でも、
みんなが麻のシャツに麻のスカーフ。
これなら冷房を最強にする必要もなくなるはずです。
シャツの色やデザイン、スカーフの色や結び方で
自分の着こなしを表現させることもできるでしょう。

麻のスカーフであれば、
自分で簡単に洗うことができます。
乾くのも速い。
スカーフでありながら、
汗の吸収にも役立ってくれるわけです。
もちろん麻のシャツだって洗濯は簡単です。
一度、石原都知事あたりが
真剣に検討してくれるとうれしいのですが。


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