服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第597回
バナナはおしゃれなフルーツです

バナナは好きですか。
お子様みたいで少し恥かしいのですが、
私はバナナが大好き。
いや単に大好きというだけでなく、
たいへん優れた食物であるとも思っています。
まず第一にナイフを使うことなく、
食べることができる。
私のような不精者には最適の果物でしょう。
手さえあれば食べられる。
第二に、常温で永保ちする。
黄色い、固いバナナなら、
3週間くらい置いても大丈夫。
というよりも熟成が進んで芳香を放ち、
甘味を増してくる。
第三に、いざとなれば主食としても使える。
こんな果物はちょっと
珍しいのではないでしょうか。

紀元前327年、
インド遠征を果したアレクサンドロス大王は、
インダス河流域に
たわわに実るバナナを目にしたという。
“バナナ”bananaの語源は
サンスクリット語の“ヴァラナ・ブシャ”
varana busaであると言いますから、
インド原産なのでしょうか。

アダムとリンゴの話は有名ですが、
マホメット教典によると、
実はアダムが食べたのはバナナであったとのこと。
バナナこそが智恵の実であって、
これを食べることによって
「恥」を意識したというのです。

この「恥かしさを識る」ということこそ、
おしゃれの原動力なのです。
まず現実の自分がいる。
そしてもうひとりの理想の自分がいて、
常に「恥かしくないよう」見張っている。―
これが私の考えるおしゃれの構図なのです。

もしもバナナが本当に智恵の実であるなら、
もっとたくさんバナナを食べようではありませんか。
もし、バナナを持てあますようなことがあったなら、
冷凍するのもひとつの方法です。
一度凍らせたバナナを解凍させて食べると、
ちょっとしたバナナ・アイスクリーム。
食後のデザートなら、
少しだけブランデーをたらしてみる。
美味い。
少し砂糖を加えて煮て、
これにシナモンをたっぶりかけて食べるのが美味であるのは、
すでにご存じでしょう。
もちろん一人だからと言って
恥かしい食べ方をしてはいけません。
バナナ1本からでもおしゃれははじまるのです。


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