服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第615回
わずか1万円の投資です

ハンカチがどうして四角なのか、
考えてみたことありますか。
当り前じゃないか、
四角いほうが畳みやすいし、
ポケットに入れやすいし。
まあ、たしかにその通りなのですが、
四角いハンカチーフの起源は、
18世紀のフランス宮廷である、との説があります。

当時、フランス宮廷の女性たちの間では
装飾的なハンカチーフを持つことが流行した。
レエスや刺繍をはじめとして、
さまざまな形を競ったりもした。
円形やだ円形、あるいは貝がらのような形などなど・・・。
しかしこれではあまりに華美にすぎる、
と思ったのがマリー・アントワネット。
そこでルイ16世に進言して、
ハンカチーフの形を統一させたというのです。

そこでルイ16世が1785年に、
「わが王国内のハンカチはタテとヨコの長さを同一にすべし」
とのおふれを出したのです。
ここから現在に至るまで、
ハンカチは四角いのが基本とされるのです。

形や大きさもさることながら、
私はハンカチでもっとも大切なのは
その素材だと思います。
好みの問題も含めて、
私は白麻のハンカチが好きです。
丈夫で、吸水性に優れ、
洗えば洗うほど白くなってくれる、白麻。
ハンカチにこそふさわしい生地ではないでしょうか。

ところで白麻のハンカチは、
いったいいくら位するのか。
たぶん、コットンのハンカチの2倍が目安。
たしかに白麻のハンカチは2000円位から買えます。
でも、上には上があるんですね。
なんと1枚1万円。
仮に半ダース買うと6万円、1ダース12万円。
六本木ヒルズの「ザ・クラシクス・ナカニシ」
(TEL:5786-9790)で買うことができます。

ただし現在日本に輸入されている白麻ハンカチでは
これが最上級なのだそうです。
まあそう考えると、
少し安心もできるのですが。
たしかに細い、極上の麻糸で仕上げられていて、
思わず衝動買いしそうになってしまいました。
いや、このハンカチを2、3枚持っていると、
きっと背筋がのびるでことでしょう。


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