服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第622回
純白の時代です

白い色はお好きですか。
ひと口に「白」といってもさまざまですが、
ここでの白は純白。
まっ白な、ピュア・ホワイト。
純白がふさわしいのは
やはりコットンやリネンなどの天然繊維でしょう。
たとえば白いコットンのシャツに
白いコットン・パンツを組合わせる。
一見、むかし風の、
あまりに当り前のように思うかも知れませんが、
私はときどきこんな着こなしを楽しみます。
時と場合によっては、
頭のてっぺんから爪先まで、
すべて純白ということだってあります。

ポロ・シャツであろうと
スポーツシャツであろうと、
白いコットンはどうしても
素材の良し悪に目が行くものです。
ふしぎなもので色柄のシャツを選ぶ時には
それほど気にならない。
ところが白無地のコットンとなると、
誰でもどの程度の生地だろうかと、
吟味したくなる傾向があります。
そしてまたコットンほど
ピンからキリまであるものです。
たまたま上質のシャツ生地に巡りあったりすると、
こんなにも肌ざわりが良いのか、
と驚いてしまいます。
言うまでもなく、より細く、より長い糸で、
緻密に織ってある生地が上質なのです。
つまり白無地を着ることは、
生地の質を見る眼を育ててくれるのです。

そしてもうひとつ白の特性は、
他の色に較べて太陽熱を反射してくれるのです。
これは黒いシャツと比較してみれば、
すぐに分ることです。
同じ条件であれば
必ず白無地のほうが涼しいのです。
しかも白は洗うことで、
その白さが復活します。
いよいよとなれば
漂白剤を使う方法もあるでしょう。
汚れやすいので、
一度着たらすぐに洗う習慣がつくはずです。

けれども純白の良さはそれだけではありません。
人間の顔を明るくしてくれるのです。
顔の下に大きな面積の純白の生地があるわけですから、
これが反射板の役割を果してくれる。
明るい顔、元気な顔、楽しい顔。
つまり着る人をたしかに元気づけてくれる色なのです。
きっとラッキーなことがはじまりますよ。


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