服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第628回
開封の秘密兵器です

開封はお上手ですか。
手紙が来る。封を開ける。
私は癇性(かんしょう)の上に
不器用ときていますから、
たいていは手で乱暴に破ってしまう。
ただ中身を読むだけなら、
まあ仕方のないことかも知れません。
でも、案内状かなにかだったりすると、
封筒ごと受付に持って行く場合があります。
と、私の封筒だけが見るも無残な姿になっているのは、
恥かしいものです。

もちろん洒落たレター・オープナーが近くにあれば、
一挙解決する問題でしょう。
私だってレター・オープナーのひとつやふたつ
無いわけではありません。
が、いざ開けようとする時に限って
見つからないのです。
捜すのが待てない。
実にどうも困ったものです。

むかしヘミングウェイは、
書斎の壁のところにハンティング・ナイフが刺してあって、
これをレター・オープナー代りに使ったのだそうです。
いかにもヘミングウェイらしい話ですが、
私にはとても似合いません。
第一、ハンティング・ナイフという時代でもないでしょう。

私が小さなガラクタ好きであることは
ご存じかも知れませんが、
また見つけてしまいました。
「レターカッター・マンボウ」というのがそれです。
銀座の伊東屋(TEL:3561-8311)で
472円で買いました。
小さなプラスチック製ですが、
一見マンボウの頭のようにも
見えるところからの名前なのでしょう。

中にマグネットが仕込んであるので、
金属板であればどこにでも留めておくことができます。
また専用のチェーンが付いていて、
キイ・ホルダーのような使い方だって可能でしょう。
透明プラスチックのミゾがあって、
ここに封筒の端を通すだけのことですから、
まず失敗ということがない。
当然、切れ端も出ないし、
刃は完全に内蔵されているので、安全そのもの。
これならさすがの私でも
きれいに開封できるというものです。

手紙の開封のほかにも、
荷づくりの紐を切ったり、
シールをはがすための小さなヘラも付いています。
ちょっと手紙を開けるのが楽しくなりました。


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