服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第729回
自分史をつくろう

今、日記をつけていますか。
または以前に日記を書いたことがありますか。
私には日記の習慣がありません。
でも、むかしの人の日記を読むのは大好きです。
時代をおいて眺めると、
それは貴重な資料ともなるからです。
ことに私の場合には、
食日記をつけてみたいと思うことがあります。
よし、今度こそは日記をつけてみるぞと、
張切っているところです。

少し書店をのぞいてみると、
あまりに多くの日記があって、迷ってしまう。
私はどうせ日記をつけるなら欲張って
5年日記に挑戦したい。
2年3年と日記をつづける。
と、1年前2年前の自分がいったい何をしていたか、
すぐに分るわけです。
もし5年なら、5年間の自分史が完成するでしょう。

迷いに迷ったあげく、
博文館の5年日記(4,100円)に決めました。
他社のに較べてどうも罫が太くて、
書きやすいように思えたからです。
箱つきの立派な日記で、
これなら本箱に立てておくこともできます。
1日分が1ページで、
ここに5年間の日記を綴る。
つまりその日の、5年間が一目瞭然となるわけです。
あとはもうただひたすら、つづけるのみ。
1行でも2行でもいいから、
つづけてみましょう。

日記といえば博文館
博文館といえば日記という印象があります。
博文館がはじめて日記をつくったのは
明治28年10月のことであったというから、古い。
それは「懐中日記」で、280ページ、値段は10銭。
小型で、携帯にも便利であったのでしょう。
これがたちまちにして人気を得、
昭和10年頃には
ざっと30種の日記を売出したとのことです。
もっとも日記をはじめて日本に輸入したのは
福澤諭吉で、文久2年(1862年)であったとの説があります。

博文館の創業者は、大橋佐平。
新潟県、長岡の出身で、明治19年(1886年)に上京。
いわばダイジェスト版の『日本大家論集』で
大成功をおさめた人物。
あ、こんなことだって
日記に書いておくと面白いかも知れない。


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