服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第742回
朝風呂は名案の宝庫です

風呂のなかで本を読んだことがありますか。
風呂も大好き、本も大好きで、
このふたつの快楽が味わえたら、
どんなに良いことでしょう。
が、本は濡れるとあとが面倒なので、
まだ実行には到っていません。
風呂で本を読むのが得意だったのが、
ロバート・キャパ。
暇があると1時間でも2時間でも湯舟のなかで、
ゆっくりと本を読んでいたそうです。
人ごとながら、その後で本がどうなったか、
気にかかるのですが。

いくら私が風呂好きといっても、
まず夜に入ることはありません。
それというのも夜はたいてい飲んでいることが多く、
酔ってベッドに直行する場合が多い。
これはもうひとつの習慣ですが、
たしかに飲酒の後で
風呂に入るのは避けるべきでしょう。
では、どうすれば良いか。

朝、出掛ける前に風呂に入る。
いつもより30分はやく起るだけで、
ゆっくりと朝風呂が楽しめる。
これは単に爽快であるだけでなく、
その日一日の予定などを配分する上でも
効果的だと思います。
少なくとも寝ざめを良くし、血行を良くし、
元気はつらつの自分を作ることができます。
朝風呂は一日のうちで最初の、
自分自身への賢い投資ではないでしょうか。

好みの入浴剤もおありでしょうが、
時におすすめしたいのは、バス・バブル。
風呂に湯を張る時、
あらかじめバス・バブルを入れておくと、
一定の湯量になった時、
その表面に美しく白い、
香りの良い泡でいっぱいになっているはずです。
朝起きてすぐにこの泡に包まれるのは、
なんとも良い気分です。
ふだんはせっかちな私も、
バス・バブルのなかでは不思議にゆったりと、
静かに風呂に使っていたいゆとりが生まれるのです。
これもまた、朝風呂の効果というものでしょう。

唄の文句ではありませんが、
朝寝、朝酒はけっしておすすめしませんが、
朝風呂だけは別。
私の経験からも朝風呂は幸せを運ぶ儀式のひとつです。
どうしようかな、と考えるような時にも、
朝風呂は名案をふっと授けてくれることがあるのです。


←前回記事へ 2005年1月5日(水) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ