服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第824回
爽やか、快適、Tシャツの快感

袖無しのTシャツを着たことがありますか。
スリーブレス・Tシャツ。
ちょっと待て。
半袖があるからこそ“Tシャツ”じゃないか、
とおっしゃるむきもあるでしょう。
たしかにその通り。
ためにスリーブレスの場合には、
“Iシャツ”の名称があります。
同じように“I”の字に似ているから、というのです。
余談ですがランニング・シャツのことを、
“Aシャツ”と呼ぶこともあります。

さて、そのようなわけで
スリーブレス・シャツの話。
メーカーによってはこれに
「サーフ・シャツ」と名づけているところもあります。
私はふだんから従来型のTシャツに
馴れているものですから、
スリーブレスには漠然とした抵抗がありました。
が、実際に着てみると、実に快適そのもの。
もちろんスポーツ・シャツの下に重ねて着たのですが、
印象としてはTシャツとほとんど変りはありません。
当然、クルー・ネック(丸首)ですから、
シャツの襟からのぞくかたちも、
まったくTシャツと同様です。

たまたま私が試着したのは、
ヘインズの「メッシュ・サーフシャツ」
どうして“メッシュ”なのかというと、
表地の編み方がメッシュ状になっているから。
新しいものに目がなく、
暑さに弱い私としては
すぐに着てみたわけです。
着てみて分ったことは、
同じように汗をかいても、
肌にまとわりつく感じが少ない。
つまりベタつかないのです。

そこで材質を見ると、
なんとポリエステル85%、コットン15%と
表示されているではありませんか。
合繊嫌いな私としては意外なことです。
どうもこれは、ポリエステル系の芯に、
その上からコットン糸を巻きつけた、
特殊な糸で編上げているのだそうです。
だから直接肌にあたる部分は主として、綿。
これが汗を吸い、なかのポリエステルが汗を吐く
という構造であるらしい。

「メッシュ・サーフシャツ」は1枚、1,050円。
西友荻窪店(TEL 3393-1151)で売っています。
なにかにつけてクラシック好きの私も、
時と場合によっては
新しいものに良いことがあると、
またひとつ学びました。


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