服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第823回
元気いっぱいになるジャケット

白いジャケットを着たことがありますか。
もちろん好みの問題もあるでしょうが、
私は好きです。
ひと口に「白」といっても実際には、
オフ・ホワイトや淡いベージュなども含めて、
そのように呼ぶことがあります。
でも私としてはできるだけ
「純白」と表現したいような白が好きなのです。

男にとって紺と白は
永遠の配色ではないでしょうか。
白いジャケットにブルー系統のパンツを組合わせる。
もうそれ以上、
あまり面倒なことは考える必要がありません。
もちろんブルー・ジーンズという選択だってあるでしょう。
小旅行などには最適の服装となってくれるはずです。

けれども白いジャケットには
ひとつだけ、難点があります。
それは汚れが目立ちやすいこと。
白いジャケットのなによりの魅力は、
美しい白さを保ってこそで、
汚れた白ではお話になりません。
魅力と欠点が背中合わせになっているからです。
ではどうすれば良いのか。
一回袖を通すたびに
クリーニング店のお世話になるのでは
たまったものではありません。

当然、家庭洗濯をおすすめします。
もし白いジャケットを買おうと思ったなら、
洗濯が可能かどうかを目安にするべきです。
裏地や芯地が複雑であるものは避けましょう。
俗に言う「アンコン」(一重(ひとえ)仕立)は
ほとんど理想的です。
綿や麻のワイシャツが洗えるのですから、
簡単な構造の上着なら洗えるはずです。
そして純白は結局のところ水洗いのほうが、
より美しい白に仕上るのです。

ジャケットは襟を立てた状態で軽く畳み、
ネットに入れて、ゆるやかに洗う。
本当は漬け洗いすると良いでしょう。
洗い上がったなら、プラスチック製の、
厚くて、丸味のあるハンガーに掛けて、干す。
この時に丁寧に形を整えておくと、
後のアイロン掛けが楽です。
完全に乾く前、八分目ほど乾いたところで、アイロン。
最初、ポケットの内装などからはじめて、
次は網目に沿ってしっかりと伸ばしてゆく。
白いジャケットを着るには、
ほんの少し勇気が必要で、
ここの勇気が自分自身を元気づけてくれるのです。


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