服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第870回
涼しさがやって来る服装

クールビズ対策をなにかやっていますか。
冷房に頼らずに、
涼しいビジネス・ウェアの工夫ですね。
ネクタイを外すのも
たしかにひとつの方法でしょう。
そしてもうひとつには
ビジネス・ウェアの考え方が
ゆるやかになって来ているのでしょう。

さて、そこでひとつの提案。
コオディネイト・スーツのすすめ。
これは本来、異なる色彩による
ジャケットとパンツの組合わせのことです。
たとえばコットンのジャケットに
サマーウールのパンツを組合わせる。
つまり生地の異なる上着とパンツを
意図的に揃えるのです。―
たったこれだけのことで、
軽快さがはっきりと違ってきます。
アンコン仕立ての上着なら、
よりいっそうの軽さと涼しさが得られるはずです。

このようなコオディネイト・スーツなら、
シャツとパンツは従来通りのものですから、
ほとんど抵抗感はないでしょう。
サマー・ウールですから、
それほどシワになることもありません。
ことにデスク・ワークでは
上着を脱いでいるでしょうから、
普段のスタイルと同様。
会議や接客などには、
コットンのジャケットを羽織るわけです。
今の時代なら充分許される着こなしでしょう。

ジャケットとパンツとでは
機能性が異なり、
また体重のかかり方も違ってきます。
パンツのほうが
より苛酷な条件だといえるでしょう。
そこでパンツには
シワになりにくいサマーウールを、
上着には爽やかなコットンをと、
それぞれ使い分けるわけです。
もちろん上着でも多少シワになりますが、
そのシワをプラス方向の「味わい」にする人が、
着こなし上手なのです。

コオディネイト・スーツにも
様ざまな応用編もあるでしょう。
たとえば麻の上着にウールのパンツ
という組合わせ方もあります。
またオフィスの雰囲気によっては
コットンのカーディガンやブルゾン
という選択も可能かも知れません。
窮すれば通ずで、困ったときこそ
良いアイディアが生まれるものです。


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