服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第886回
おしゃれ上手のスリミング術

体型を上手に保つ方法を知っていますか。
スリミングといっても良いでしょう。
でもこれがなかなか難しい。
ことに私のような快楽大好き、
苦行は大嫌いな人間にとって、
美しいプロポーションを保つのは至難の技です。
年々歳々、ウエストサイズが成長していることを
認めざるを得ません。

もちろん世の中には
星の数ほどのスリミング法があります。
なにをどうすれば良いか、
頭の中では分っています。
でも、永続きしないのです。

けれども私にとっては
おしゃれ道こそが
最良のスリミング法だと思います。
おしゃれをすればするほど体型が保てる。
まさかそんなバカな、とおっしゃる方は、
ぜひ次の話に耳を傾けて下さい。

たとえば白麻のダブル・カフスのワイシャツを
着ているとしましょう。
すると口にこそ出さないのですが、
自分のシャツの袖口が気になっている。
ダブル・カフスの折り返し部分、
もう1センチほど広いほうが良かったかなあ、
なんて考えているのです。
カフスボタンの位置、
もう1ミリほど下のほうが
バランスがいいのなあ・・・。

固い言葉を使うなら
美意識かも知れませんが、
いつも自分の服が、姿がより美しくあって欲しい。―
もちろんひとつには自己満足であり、
もうひとつには自己表現ということでもあります。
つまり自分の気持良さのために自分を意識する。
そしてもうひとつには
自分をより美しく鑑賞してもらいたいのでしょう。

ごく簡単にいえばおしゃれ道とは
ざっとそんなところだと思います。
頭の一部分ではありますが、
朝から晩まで1ミリだとか
1センチだとか考えているのは、
これもエネルギーを使っているのではないでしょうか。
それに他人の視線を気にすることも、
スリミング効果がある。
結局のところはおしゃれとは
上手に体型を保つための秘訣でもあるのです。
その割にはやや太り気味の私、
たぶんおしゃれ道への精進が足りないのでしょう。


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