服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第918回
賢者のウエスタン・ベルト

トニー・ラマを知っていますか。
アメリカのウエスタン・ブーツ・メーカーです。
他にもジャスティン、モッコナ、
ロケットバスターなどのメーカーがあることは、
ご存じの通りです。

1948年、トルーマン大統領が
カンガルーの革で
ウエスタン・ブーツを注文したことがあります。
これを実際に製作したのも、
トニー・ラマでありました。

でも、トニー・ラマはなにも
ウエスタン・ブーツだけを
作っているわけではありません。
いくつかのウエスタン・グッズをも作っています。
なかでもウエスタン・ベルトの優秀性は
よく知られているところでしょう。
まず第一に革が厚く、丈夫で、
多少のことではへこたれない頑丈さを持っています。
品川の「ラク」(TEL:03-3444-8011)という
ウエスタン・ショップには
トニー・ラマのベルトが数多く揃っています。
スタイルによって多少の違いはありますが、
だいたい1本2万円前後でしょう。

ウエスタン・ベルトといえば、
誰もがすぐにブルー・ジーンズを想像するでしょう。
たしかにジーンズにウエスタン・ベルトを締めると、
しっかりとした安定感が生まれます。
なるほど相性というものがあるな、
ということに気づかされます。

けれどもウエスタン・ベルトはなにも
ジーンズ専用というわけではありません。
たとえば黒のパンツに、
黒のタートルネック・スェーターを着る。
この時、ウェストのあたりで
スェーターの上から
ウエスタン・ベルトを巻いてみる。
アイディアとひとつで
さまざまな着こなしが生まれるでしょう。

たとえばサファリ・ジャケットなどには
たいてい共ベルトが付いています。
が、これをウエスタン・ベルトに変えてみる。
同じようにトレンチ・コートの共ベルトを
ウエスタン・ベルトに変えてみる。
1本のベルトが
何通りにも使えることを発見するでしょう。
頭もベルトも要は使い方ひとつなのです。


←前回記事へ 2005年9月28日(水) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ