服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第953回
カーディガンがビジネス・ウェアになる日

トゥイン・セッツを知っていますか。
別に、スェーター・セッツと呼ぶこともあります。
要するにニット・ヴェストとカーディガンが
揃いになっているものです。
もちろん時と場合によっては、
スェーターとカーディガンが
同色同柄のニットになっていることもあります。

たとえばラムウールの、
ワイン・カラーのカーディガンがあったとして、
その下にまったく同じ色と材質の
ヴェストやスェーターが組合わされているものです。
これはもう下に着るシャツなどのことだけを考えれば
良いわけですから、便利。
いや、便利なだけでなく、
温かく、しかもたいていの場所で通用する
着こなしでもあります。

少し極端な例かも知れませんが、
同じワイン・カラーの
タートルネック・スェーターを合わせたなら、
スリーピース・セッツということに
なるのかも知れません。

けれども実はもうひとつのスリーピースが
作れるのではないでしょうか。
たとえば黒のスェーター・セッツに
黒のパンツを組合わせる。
これもまたスリーピースということになります。
で、シャツにタイを結んでみましょう。
それほど失礼な恰好ではありませんし、
実際に着ていて温かく、窮屈でもありません。
もしも「ウォーム・ビズ」というのなら、
このスリーピース・スーツも
そのひとつに加えて良いのではないでしょうか。

ダーク・ブルーのパンツに、
同じくダーク・ブルーのトゥイン・セッツ。
それに好みのシャツに
ネクタイを結んで出勤できるとすれば、
どんなにか楽しくなることでしょう。
もちろんダーク・グレイのパンツに
ダーク・グレイのカーディガンと
ニット・ヴェストの組合わせも良いでしょう。

実際にオフィスへ着て行けるかどうかはさておき、
今からその練習をしておくのもひとつの方法です。
もちろん必ずしも
ニット・ヴェストとカーディガンが
同色でなくても結構。
要するにカーディガンを
ジャケット代りに着こなそう
というアイディアなのですから。


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