中国って、本当のところどうなの?

第51回
798−SPACE

この798 Photo Galleryの横の薄暗い通路を進み、
左手に現れるのが798 SPACEです。

現在、798の中で最も人目を引くのがこの空間でしょう。
工場が稼動していた頃からの文言が残されています。

東ドイツ製の工作機械が並ぶ工場の天井には、
「毛主席万歳 万万歳」
という文句が見て取れます。

他にも、「毛主席の思想に従おう」
「毛主席のイデオロギーは我々の指針」など
毛沢東のプロパガンダ全開の文句が並びます。

若い中国人の友人と一緒にこのスペースを訪れましたが、
「これどう思う?」と聞いてみると、
「アホらしい」と苦笑しながら答えてくれました。

カフェやアート系ブック・ストアの天井には、
「偉大な先導者、偉大なリーダー、
 偉大な司令官、偉大な操舵手」など
嬉しくなるほど滑稽な文句が並びます。

当時、ここで働いていた人たちは
笑えなかったでしょうけれど。
正直、「やってらんねぇなァ」
という思いだったことでしょうね。

東ドイツ製の工作機械の幾つかは、
意図的にオブジェとして残され、
空間に緊張感を与えています。

1200平方メートル・高さ9メートルある798 SPACEでは、
ブランドの新作発表会や各種アート企画が催されています。
バウハウスのシンプルなスタイルで建てられた空間ですから、
様々な展示が冴えるのですね。

天井には素敵な文言が並びますし、
先鋭アートとのギャップが堪らないでしょう。

工作機械には、
「国営第798工場」のプレートが
いまなお取り付けられたままです。
このスペースも、基本的には無料で入れます。

さて、明日は奥のカフェでお茶でもしてみましょうか?


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