中国って、本当のところどうなの?

第63回
断崖に建つ懸空寺

北京市から西へ300キロほど行ったところに
山西(Shanxi)省はあります。

山西省は山西高原とも呼ばれ、
黄土に覆われた山や丘陸などの高地が
省面積の72パーセントを占めているそうです。

そして、山西省の北に位置する大同(Datong)市には、
幾つかの歴史的見所が集まっています。

大同市の中央から車で1時間ほど南東に行ったところに、
恒山(Hengshan)と呼ばれる山岳があります。
ここは中国5岳のうちの1つです。
この恒山の中に、「懸空寺(Xuankongxi)」は
息を潜めて建っています。

世界的に見ても、断崖の中腹に
張り付くようにして建つこの建築物は珍しいでしょう。
中国では、ここだけで見られる型式の寺院です。

建立は西暦491年といいますから、
1500年以上の歴史を持つ寺です。

この寺の面白いところは、その外観もさることながら、
道教・仏教、そして儒教の3つの始祖が
渾然一体として祭られていることでしょう。

現存するこの建築物は、
明・清時代以降に修理されてきたものです。

この渓谷は、一日の日照時間が
たったの4時間という短さだそうです。

太陽で焼かれることが短かったために、
こうした古い建築物の保存にも
適した場所となったそうです。
標高も高いので、冬場はかなり寒い場所です。
11月に入ると、川面の水は凍りだします。

昔の人々がどうやってこの寺を建てたのか、
気になるところですよね?

実は、断崖の上から職人がロープで中腹に垂れ下がり、
建設をしていったのだそうです。

寺のあちこちに顔をみせる柱を見ていると、
「この寺、簡単に落ちるんじゃないかな?」
と不安になりますが、
寺の支点は岩の上に乗っているそうです。

そして、外に出ている柱は実際には3分の1ほどで、
あとは岩の中に埋め込まれているとのことです。

それでは、明日は堂内を見て行きましょう。


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