中国って、本当のところどうなの?

第142回
中国生活、自転車泥棒からの洗礼

中国で生活していると、
あまりに理不尽な仕打ちにやり場の無い怒りが
こみ上げてくることがあります。

こうした「やり場の無い怒り」(ダーク・フォース)に
身を預けると、考え方が偏屈になり
行動が暗黒世界に引きずりこまれる恐れすらあります。

昨夜、私も激しいダーク・フォースに襲われました。
6日前に購入したばかりの新品のマウンテン・バイク(MTB)を
本屋の前にあるポールに鍵でしっかりと
つなぎ停めておいたにも関わらず、
あっさりと盗まれてしまったのです。

「ぐぁぁぁぁ、がっでむ!」

お気に入りの絵本作家の新作を購入して
上機嫌で本屋を後にしたのもつかの間、
そこにあるべきはずの自転車が忽然と姿を消し、
後には寒々とした空気が残るのみ。

「いやまてよ、本当にここに停めたんだっけか?」

自分の記憶すら疑い始めます。

「そうだよ、ついさっきここに停めたばかりだよ」

認めたくはない事実ですが、
MTBはすっかり盗まれてしまったのでした。
しかも、日本から購入して持ってきた
高性能ワイヤレス・センサーまで付けていたものです。

激しい憤りと無力感がごちゃ混ぜになり、
周りの世界がぐにゃぐにゃに見えます。

中国に長く暮らす人であれば、
大抵の人が何かしらの盗難にはあうものですが、
私もついに自転車泥棒の洗礼を受けたのでした。

いつまでも脱力していても仕方が無いので、
仲の良い中国人の友人を電話で呼び出し、
「中国社会のダメさ加減を思い切り愚痴ろう」
とダース・ベイダーと化した私は思い立ちました。

「あー、いま忙しい?」
「いや、大丈夫だけど。どうしたの?」
「あの新しい自転車盗まれちゃったよ。超悲しいんだけど」
「待ってて、すぐ行く。20分で行く」

「こうなったら、
ありったけの中国に対する不満をぶちまけてやる!」
しかし、中国人の友人はさらに上手で、
彼女の20分は、軽く1時間以上でした。

「家を出る時に携帯が見当たらなかったの。待った?」
「なによ、20分って言ったじゃないのよぉぉぉ!」

明日に続けてもいいですか?


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2006年2月14日(火)

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