第209回
スター養成学校:中央戯劇学院
ここ数年、中国本土の映画のみならず、
ハリウッドや海外の映画にも出演することが増えてきている
中国の映画俳優たちがいます。
有名どころでは、チャン・ツィーや
ゴン・リーといった女優が日本でも良く知られていますが、
世界的なスターとなっている彼女たちを輩出した学校が、
中国屈指の演技学科のある中央戯劇学院です。
この中央戯劇学院には、演技学科の他にも
絵画などの芸術系の学科、
映画監督の養成学科などがありますが
一番の花形はなんといっても少数精鋭の演技学科でしょう。
上海にも上海戯劇学院という中央戯劇学院と
同じ内容の指導を行う学校がありますが、
北京の中央戯劇学院は上海戯劇学院と比べると、
やはり各上のようです。
中国の組織名をみてみると、
名前に「中央」とつくところは、
最重要な位置づけであることを表しています。
中央政府は政府機関の中で最もランクが上の組織ですし、
この中央戯劇学院も演技・戯劇に関しては
中国トップの学校として君臨しているのです。
ここ数年、
中国本土の映画・テレビだけではなく、
中央戯劇学院の卒業生の活躍が世界的になってきたことを受け、
演技学科への受験生も急増しているといいます。
今年の演技学科の1年生は25人程度なのですが、
受験生は1万人いたといいます。
1万分の25人。
400倍の倍率を潜り抜けてきた超エリートたちが、
自身の表現の持てる能力を開花させ、
さらに同級生や先輩・後輩と切磋琢磨している演技学科。
また、ここの学生たちの凄いところは、
外見の美しさだけではありません。
各メディアの演技に必要とされる
それぞれの要素の違いを習得し、
歌や踊りの基本能力も高く、他の演者との距離感を計算し、
身体の隅々までの仕草までをも研鑽し続けるといった具合に
プロの演技者としての基礎力が圧倒的に高いのです。
日本やアジアの国々で見られるような、
容姿の端麗さだけでなんとなく映画俳優になったり、
テレビのドラマに出ている大根役者とは基礎力が違います。
明日は中央戯劇学院の「実際のところ」と、
学校の近隣の様子を垣間見てみましょう。
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