第211回
胡同には、美人がよく似合う
昔日の中国の町並みが残る胡同。
中国の近代化と共に急激に姿を消しつつあります。
特に、
北京・上海の胡同の消滅していくスピードは顕著であり、
胡同の懐かしい雰囲気を知る人々は、
その消失を嘆く気持ちが強くあるようです。
さて、前回・前々回と触れてきた
中国屈指の演技学科のある中央戯劇学院ですが、
実は胡同の中に位置します。
中国広しといえども、
中央戯劇学院の近隣の胡同ほど、
美男・美女の出没率の高い胡同は他にないでしょう。
とても綺麗な中国女性が胡同の中を歩いている光景は、
映画の中のシーンを見ているような錯覚に陥ります。
実際、彼・彼女達の多くは映画やテレビの世界などで
活躍していくことになるのです。
中央戯劇学院の近隣の胡同には、
昔の家を改造して造られたお洒落なカフェなども点在し、
各地の胡同を練り歩いてきた胡同好きの人々にも
特に人気のある胡同の一つです。
この2人のおじいさん、
実は小学校の同級生でずっと仲良しなのだそうです。
天気の良い日には、こうして2人で道の傍らに座って
ゆっくりと話をしたり、
通り過ぎる人々を見て楽しんでいるのです。
この近辺の胡同は
いかにも中国的なテイストで外国人の心をくすぐるので、
戦時中、日本の占領軍の士官などが
住んでいた場所も多いといいます。
日本に対するネガティブな感情が
この近辺である程度は残っていても
仕方の無いことかもしれません。
中国に留学する日本人にできることとしては、
草の根的な活動ではありますが、
なるべく多くの中国人と友達になり、
日本人に対する信頼を個人レベルであっても
強固にしていくことでしょう。
相互の不理解からいがみ合うというのは、
お互いにマイナスにはなれ
何のプラスにもなりませんからね。
人々の共通の敵を作ることにより、
国家体制を維持するということに関しては
かなり貢献するのでしょうけれど。
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