第310回
中国の最高学府:清華大学・北京大学
中国の最高学府といえば、
真っ先に名前が挙がるのは理系が中心の清華大学ですが、
清華大学と並んで文系の最高学府といえば
首都の地名を冠した北京大学が挙げられます。
中国の大学事情に詳しくない人からすると、
名前の覚えやすい北京大学が最高学府であると思われがちですが、
やや名前のインパクトは弱いものの、
清華大学が中国一の大学であるとの認識は、
国内外で一定のコンセンサスを得られているものでしょう。
現在、清華大学も北京大学も
理系・文系両方の専門を揃える
総合大学に発展してはいますが、
理系色の専門性が強いのは清華大学であり、
文系色のそれが強いのは北京大学であるといえます。
さて、清華大学と北京大学とは、
地理的にも文字通り「お隣の大学」です。
両校ともに北京市海淀区の市中心部寄りに
本部キャンパスを置き、清華大学の西門側に
北京大学の東門側が面するといった具合です。
日本で言えば、やや毛色は違うものの、
東大と京大のレベルにあたる2大学が
肩を並べているような位置関係にあります。
清華大学と北京大学は、
中国の重要拠点大学の1、2位を争う最重要大学ですが、
両大学共に規模の拡大・専門領域の拡張に
余念がないようです。
ビジネス・スクールを立ち上げ、
医学校や多くの病院の吸収合併をするかと思えば、
美術学校を取り込み美術学部の新設をするなど、
「総合大学化」への大胆で急速な取り組みが
大学の内外で話題になるほどです。
大学の収益面を考えてみると、
中国人学生よりもずっと学費の高い
ドル箱である留学生の囲い込みにおいては、
北京大学が清華大学の先をいっています。
しかし、国からの補助金や
国内外企業からの献金・共同研究目的の出資においては、
清華大学が北京大学に水をあけているようです。
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