虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第102回
トリビアの泉!
「肝心と肝腎、どちらが正しい?」

日本では、ものの要所を
「肝腎要め」というふうに表現しますが、
中医学でも肝と腎は特に重要なところで
お互いに深いつながりがあると考えられています。
そのため、肝を強化するときには
腎も一緒に強化する方法がよくとられます。
また、肝・腎を強化すれば、
目・耳・骨を丈夫にすることもできるため、
老化防止にも大へん役に立ちます。

肝と腎を強化する漢方薬は
いろいろありますが、
それらのほとんどは
六味丸という漢方薬を基本に作られています。
日本では、
八味丸という漢方薬が
白内障・腰痛・老化防止などに
効果があるといわれ
非常によく使われていますが、
この処方も六味丸に
桂枝と附子(トリカブトの根)という
身体を強く温める生薬を加えて作られたものです。
そのため、八味丸は身体を温める作用が強く、
寒がりのひと向けの処方になっています。

また、六味丸自体には
身体を冷やす作用もないため、
熱がこもりやすい暑がりのひとには、
六味丸に
身体を冷やす作用を持つ
知母と黄柏(キハダ)を加えた知柏地黄丸や、
クコの実と
熱を冷ます働きのある菊花を加えた
杞菊地黄丸などの漢方薬が
中国にはいろいろとあります。


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