虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第294回
「厚生省でも問題か? 国際中医師」

「オレオレ詐欺」の手口は日々、進化しています。
そのため、テレビや新聞などで
どれだけその被害が報道されていても、
被害が増えることはあっても
一向に被害が減少することがありません。
しかし、手口は進化していても、
注意深く観察してみると、
その手口には一つの傾向があるようです。

1.これまで、高齢者の方が多く狙われていましたが、
  現在、被害者で最も多いのは50代の女性。
  電話は、午前10時から午後2時ぐらいの間に、
  自宅で一人でいる時にかかってくることが多い。

 ※銀行や郵便局の閉店前の時間帯で、
   相手にゆっくり考える余裕や
   家族などに相談する時間を与えないため、
   また、その日のうちに振り込みをさせてしまうため。

2.電話の内容といえば、
  孫や息子、配偶者などを装った人物が
  「交通事故を起こした」「事件を起こした」
  といった加害者になることで、
  示談金・賠償金・修理代・妊娠中絶費用などを
  「至急、銀行に振り込むように」というものです。

 ※お祝い事の費用や
   こちらが被害者になるという話は
   今のところ、ほとんど聞いたことがありません。

3.以前のように、「オレ、オレ」とは言わない。
  警察官、弁護士、教師、医師など
  社会的信用のある肩書きを語ることが多い。
  一般の人が一生に一度会うか
  どうか分からないような、
  衝撃的な内容の事故や事件の話をして
  気を動転させ、正常な判断力を奪ってしまう。

 ※孫や息子の泣き声を聞かされてしまうこともある。

以前にもお話しましたが
ここ数年、私たちの業界で
非常に大きな問題になっているのは、
「国際中医師」「漢方中医師」などの
医師と紛らわしい名称を名乗って、
あたかも自分が医師であるような
錯覚を与える記事風の広告を
テレビや新聞に出したり、
インターネットなどで宣伝している人たちが
増えてきていることです。

例えば、国際中医師という肩書きは
日本でも、世界中の国々でも医師ではなく、
発行元の中国でも
医師の資格を意味するものではありません。
(漢方中医師も、同じような類いのものです。)
読者の皆さん、
こうした一種の「語り商法」には
くれぐれも騙されないように、ご注意下さい。


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