虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第297回
アメリカで、二番目に尊敬される職業?

しばらくぶりに
薬剤師会の会合に出席しましたが、
昔、薬でしこたま儲けた薬屋の
二代目や三代目の方たちが多いせいか、
話していてもどうも話がかみ合いません。

来年早々に処方せんを発行する
病院に関しての話が主な議題でしたが、
困ったことに違法な行為を
また、やらかそうとしているのです。

福井県の場合、医薬分業の比率が
日本でも最下位の部類に属し、
分業を推進するために
行政側が多少甘めにみてくれた時期も
確かにありましたが、
医薬分業が進んでもう10年以上も立つのです。
違法な行為を多数決で決めるなど、
一般の常識では考えられないようなことを
今でも平気でやり続けています。

私は元々、家が薬局でもなく、
家族が薬剤師だったというわけではありません。
そのため、薬や薬局、薬剤師などに対して
あまり固定した観念を持つことがなく、
医療の世界の中で
医師、看護師とリンクできる
薬剤師のあり方をいつも模索してきました。

しかし、いつも痛切に感じるのは、
日本では薬剤師の姿勢や考え方が
非常にいい加減で甘えがあるということです。
例えば、アメリカで尊敬される
職業の二番目が薬剤師だという話を
薬剤師会でよく自慢げに聞かされますが、
それは単なる希望であって
事実関係とはかなり隔たりのあるものです。

事実は、アメリカでもすべての薬剤師が
無条件に尊敬されているのではなくて、
医師の発行する処方せんや
市販されている薬の中で、
患者さんに不必要な薬が出されていないか、
量が多すぎて副作用が強くならないか、
他の薬やサプリメントなどと
併用しても大丈夫かどうかなどを
的確に判断してくれる、
患者さんのために身体を張ってくれる
薬剤師たちが尊敬の対象になっているのです。

今だに、日本の薬剤師の大部分は、
やみくもに薬を販売することや
処方せんの調剤をすることだけが
目的のように考えているようですが、
時代は確実に、薬剤師にも
きびしい姿勢を求めつつあります。


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