虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第355回
ステロイド含有の漢方薬とは?

アシドーシスの場合とは反対に、
動脈血のpHが7.45以上になることが
“アルカローシス(アルカリ性血症)”です。
アルカローシスの状態になると
神経や筋肉が異常に興奮しやすくなるため、
精神錯乱・筋肉痙縮・けいれんなどの症状が
現われやすくなります。

どうして、アルカローシスになると
神経や筋肉が異常に
興奮しやすくなるのかといいますと、
血液中のカリウムが細胞内へ移動し
低カリウム血症を発症してしまうからです。

例えば、副腎皮質ホルモン
いわゆるステロイドの副作用に、
イライラ・不眠・躁うつ状態などの
精神的な症状がありますが、
ステロイドが低カリウム血症を
発症しやすい薬物であることを考えれば、
それらの副作用の発現は
ある程度、予見することができます。

また一般に、漢方薬は
副作用がないと思われがちですが、
実は、漢方薬に含まれている
“甘草”という生薬の使い過ぎで
低カリウム血症が発症することがあります。
原因は、甘草の主成分である
グリチルリチンの化学的構造が、
ステロイドと非常によく似ているためです。

※頻繁に嘔吐をくり返す場合、
  胃液中の塩酸が多量に失われて
  アルカローシスが発症するケースがあります。
  また、ひどい下痢が何回も続くと
  アルカリ性である腸液が大量に失われるため、
  アシドーシスの状態を呈するようになります。


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