牛肉の値段が暴落
これだけの目にあわされたら、百年の投資熱も醒めないわけはないだろう。しかし、賽は既に投げられており、途中で引き返すわけにはいかない。整地は終わり牧舎もできて、乳牛の牡を三百頭ほど買い入れて飼育はドンドンと進行していた。
私の計算によると、乳牛の牡の幼牛を一頭約五万円で買ってきて一年半、飼育するのにほぼ五万円の飼料代がかかる。台湾では牛肉の値段が豚肉の倍しているので、成牛になって売ると、一頭で約二十万円に売れる。それならば、一頭あたり飼料代も含めて投資家から十万円預かって、牛を処分したら、牧場と利益を半分わけにすればいいじゃないかと考えた。
まずうちじゅうで一頭ずつ買ったし、また私と一緒に経済視察に出かけて行った友人たちにもすすめて一頭ずつ買ってもらった。その投資談が台湾の新聞に載ると全島から申し込みが殺到したが、私は大事をとって知人の間だけに限った。
それでもたちまち前記の三百頭になり、幼牛のときはまだ大したことはないが、大きくなりはじめると猛然と食いはじめた。牛の食欲には土曜も日曜もないし、こちらはその飼育に忙殺されているというのに、もう一方では不法行為だといって法廷に呼び出される。
それだけでもたまらないのに、牛が大きくなると今度は、国が牧畜を奨励業種に指定しておきながら、経済部(通産省)がオーストラリアから牛肉輸入をいきなり自由化する挙に出てきた。このために、島内の牛肉の値段が一挙に半分に暴落してしまった。同じ政府でありながら右手で可愛がるかと思えば、左手でビンタを食らわすようなものである。もしこんなことが日本で起ったら、恐らく農林大臣はクビがいくつあっても足りないであろう。
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