台湾の株式投資に振り回されて
海外の株に夢を託して
日本人が日本で株を買うのだって、所期の成果をあげるのは容易ではない。ましてアメリカの株を買うとか、韓国、台湾、香港、シンガポールの株を買うとなると、もっと遥かに難しい。
カントリー・リスクという面からいえば、アメリカの株を買うのが最も安全であろう。ところが、アメリカの株は日本の株に比べてずっと利回り的に有利であるにもかかわらず、うんと安値に放置されている。面白いことに安い株はなかなか上がらないもので、安いからそのうちに上がるだろうと思っても、思いどおりにはならない。
最近でこそドル安による景気恢復が期待されて史上空前の高値をつけているが、はたして今後も長く続くかどうか。ことに日本にいて、日本円でアメリカ株を買うとなると、折角、ドル建てで値上がりがあっても、日本円が高くなれば、値上がり分が相殺されて元の木阿弥に戻ってしまうことが考えられる。日本の銀行や保険会社でアメリカの国債を買ったり、不動産を買ってもアメリカの株に手を出す企業が少ないのを見ても、アメリカ株への投資が容易でないことがわかろう。
東南アジアの株も、難しいという点ではアメリカ株を上廻るかもしれない。ただ、日本企業のアメリカ進出がこの十年、十五年に集中しているのに対して、東南アジアではそのずっと前から、それなりの業績をあげてきている。
ことに、いわゆるニュー・ジャパンと呼ばれるこれら四つの地域では、日本に次いで高度成長が続き、急激に経済の拡大が続いてきたので、かつての日本の高度成長期のような成長現象が株価の面にも現われている。香港、シンガポールは為替がほぼ完全に自由化されているので、外国人の株式投資も自由自在にできるが、韓国や台湾ではまだ幾多の制限がある。
しかし、たとえば、台湾の場合でも、外国からお金を持ってきて元に換え、個人の名前で株の売買をする分には何の制限もない。したがって、もしかつての日本における成長株買いに興味を持った人が、「日本でやれなかったことをここでやれるのではないか」と考えたとしても何ら不思議ではないだろう。
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