第三に、これは私自身の会社の内部の問題であるが、証券会社をつくるにあたって私の帰台に際して世話になった調査局長(台湾のFBIのボスに当る)の関係で、その従弟にあたる者が認可のために奔走し、また先に述べたように軍人の退職金まで集めて総経理(社長)の地位についた。念のため、私は私の東大時代の同窓生に副総経理になってもらい、監視の目を光らせてもらったが、軍人出身にもかかわらず、総経理になった男はお金にきたなく、銀行出身のおとなしい副総経理の意見には全く耳を傾けようとしなかった。
たとえば、成長株の一環として化繊株を買ったが、途中でその弱点に気づいた私はすぐに大明、裕和、中興紡の処分を指示した。私がいる間は毎日のように少しずつ売りをかけるが、私が帰るとすぐに売りをストップしてしまう。
あとで気づいたことだが、台湾の上場会社は持株比率によって役員の椅子を配分される。
私は自分の会社の持株を元手に他人の会社の役員になりたいという気持ちを持ったことは一度もないが、私にその気がないことがわかると、総経理は私に無断で、会社の持株を背景にしていつの間にか大明や中興紡の常務董事になっていた。台湾では持株の半分を売ると役員の地位を失う規定になっているので、私が東京に帰ってしまうと、すぐ売り止めをして自分の地位を守ろうとしたのである。
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