日本人の強さ
日本人はこうしたピンチに直面すると、いっそう団結も堅くなるし、一致協力して困難にあたる気質を持っている。石油が高くなったのなら、石油をなるべく使わないようにすればいいじゃないか。人件費が上がりすぎてコストに影響するのなら、人を使わないで生産する方法を考えればいいじゃないか。
そういう発想のもとで、日本人が新しく考え出したピンチ切り抜けの具体策は、一つは省エネであり、もう一つは自動化であった。具体的には、「軽薄短小」化であったり、ガソリン消費量の少ないエンジンに切り替えることである、またこれらのものを製造するのに、ロボットを採用したり、無人工場をつくることである。
こうした起死回生策のおかげで、日本は物の見事にピンチを脱け出しただけでなく、一段と国際競争力を身につけることに成功したので、今日の経済社会では、資源国よりも付加価値を創造する国のほうが遥かに有利な立場にいることを全世界に向かって証明することになった。
マクロ的に説明すると大体、以上のようなことになるが、これは海外に工場を移してきた私にとっては全事業をスクラップ化してしまうほど驚天動地の出来事であった。なぜならば、コスト・インフレを日本内地にいて克服することができるなら、工場を海外に移す必要はなくなってしまうからである。
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