イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第112回
山高ければ谷深し

今回のH株の上昇と、94年の時のH株ブーム、
1997年、レッドチップ指数先物が売り出された時は
レッドチップブームが先行していました。
つまり、中国株の将来の期待で
株価だけが大きく値上がりしていったのです。
PER(年間での一株利益に対して株価が何倍で
買われているかを表した数字です。)が高くなったときには
企業の将来性を先取りして高くなる場合が多いときです。

ですが、将来の期待だけで購入したものであって、
実際の企業の利益が大きく伸びたわけではありません。
市場の投資家の人気だけで、大きく株価が上がっていき
実体をともなわない株高、が演出されました。
そのようなときにアジア通貨危機があったものですから
将来期待だけで買われていたレッドチップ株は
投資家の市場への期待が冷え込むに従って急落していきました。
”山高ければ谷深し”です。
レッドチップ指数が6000ポイントを超えていたものが
1000ポイントまで下落し、約六分の一にまでなりました。

では今回H株指数先物は
レッドチップ株と同じようなことが起こるでしょうか。

今回は収益の点でも大きく違ってきています。
2003年11月初頭の業績と収益予測を見てみますと、
H株指数のPERは15.87倍です。
今期期末決算ならもっと低くなり
予想PERが12.5倍となっています。
この予測は収益の伸びが2割と見ての試算です。
アナリストの一部では2割は低い試算で
3割の伸びを予想しているところもあります。
3割ならばPERがもっと低くなりますので
株価に割安感がでてきます。

つまり今のH株は企業業績が伸びてきている中での
株価の値上りになっている、ということができます。
今年初めからのH株指数が
現在までに94%も上昇していたとしても
成長する企業に投資する限りは
収益の上昇とともに株価も上がっていく、
ということになる可能性が大きくなってきます。

ではここで12月8日から
H株指数先物がでてくると
市場にはどのような変化がでてくるのでしょうか。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


←前回記事へ 2003年11月11日(火) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ