イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第170回
レッドチップ株とH株との関係

香港市場のH株が上昇しています。
これはH株企業がA株にも多く同時上場しており、
その株価の価格差がH株のほうが、
A株よりも高く、割安感があるためです。
ですからQDIIを見込んでH株が上がっているのです。
ではレッドチップの企業の株はどうでしょうか。
レッドチップの企業も中国企業です。
ですが、H株のように中国本土A株に同時上場してはいません。
では今後、レッドチップ株はどのように動いていくのでしょうか。
H株との関係を見て行きます。
2004年1月19日までのデータですが、
H株とレッドチップの昨年からの累積上昇幅は128%、51%です。

H株の事をとりあげる前に、まず過去の例から話していきます。

1997年当時レッドチップ株ブームがあり、
当時大量の中国資金がレッドチップ株の投機に集中しました。
中国国内企業も相継いで上場し、
信用売買による取引も活発に行なわれました。

このときは中国株、というだけで将来が期待できる。
明るい見通しが出ていました。
それに比べ、国有企業の大型企業が多いH株は
今後の業績を見ると
国有企業の改革が行なわれる事はわかっていましたので
楽観視はできません。
その点レッドチップなら
それほど大きな荷物(赤字)は背負っていませんので
買われたわけです。
このような事情があったことは事実です。
ですから、いまはA/Hの差が問題になっていますが、
この先、H株が上昇したらA/Hの差はなくなりますから
当然レッドチップ企業にも日の目が当たってきます。

当時、最終的にタイから始まったアジア通貨危機が広がってきて、
近隣諸国の通貨は相継いで暴落し、
香港は米ドルとペッグ制のため、
資産価格が市場システムにしたがって調整され、
最後にはレッドチップ、および中国株は暴落をしましたが。

過去10年間のパフォーマンスを見ますと、
H株およびレッドチップは
旧正月期間に「新年効果」を発揮する可能性があり、
統計によれば、旧正月休暇前に買った場合、
レッドチップでは利益を得る可能性は9割の高さに達し、
平均リターンは14.3%、
またH株では勝算は67%、
平均リターンは10.63%である、とのデータがあります。
このように時期的に見るとレッドチップ企業に
少しだけ株価の上昇が期待できることは確かです。
ですが、このような小さなテクニック的なことではなくて、
今後の両方の株価指数のことを考えて行きますと、
H株がA株と価格差がなくなったときに
レッドチップ企業に日の目が当たってくるのは明らかです。
H株、レッドチップ株、どちらを選ぶ、というよりも、
今後大きく成長していく企業に投資していくのが大事でしょう。
しばらくはQDIIでH株は急騰するでしょう。
その後、QDIIが実施されたあと
H株が急騰した時には
レッドチップも中国企業銘柄として
見直されて買われていくでしょう。
H株、レッドチップ株、P株(民間企業)に限らず
優良企業の株価が上昇することが考えられます。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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