イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第191回
北京北辰実業

では今回H株構成銘柄から除外された
北京北辰実業(コード:0588)はどうでしょうか。
同社は2月19日に2003年度の決算発表を行いました。

・2003年度決算
売り上げ - 23.26億元(前年比 32.06%増益)
利益 - 2.87億元(前年比 120.09%増益)
一株利益 - 0.15元
配当 - 0.035元

今期は増収増益になっています。
売上規模は23.26億元で
日本円で約302億円(1元を13円として計算)です。
中国人寿保険は約9660億円ですから同社の32分の1の売上です。
ですが利益を見てみますと中国人寿保険の赤字に対して、
日本円で37.3億円の黒字です。
ここの部分だけを見たなら
どちらの企業に投資できるかを判断すると
北京北辰実業の方に分があります。
売上に関しても1兆円企業が10兆円にまで伸ばすことは大変で、
100億円企業が1000億円企業になるほうが
楽な場合が多いでしょう。

もちろん、業種によって将来の市場規模がどのくらいあるのか、
どこまで成長できる市場なのかを見極めることが一番大事です。
ですが、売上をどこまで伸ばしていける企業なのかを
見るのも大事です。

北京北辰実業の2002年度の事業内容は
不動産販売の低迷で減収減益でした。
2003年に入り不動産部門の販売好調に支えられて
売上、収益とも伸びています。
北京北辰実業は企業名の頭に北京とついている通りに
北京で主に不動産業を営んでおり、
北京オリンピック銘柄でもありまます。
2008年北京オリンピック会場の「大地主」
及び主要なデベロッパーとしても
五輪関連の不動産部門の中核銘柄でもあります。
今後数年の間に北京オリンピックの関連設備などのプロジェクトに
約100億元の資本出資を計画してもいます。
今年の夏、ギリシャのアテネで2004年8月13日〜29日の17日間、
アテネオリンピックが開催されます。
一般のメディアも国民も
今の関心はアテネオリンピックに移っていっています。
今夏のアテネオリンピックが終わるまでは
2008年に行なわれる北京オリンピックのことは
あまり話題にならないでしょう。
また、本格的に北京オリンピックが話題になってくるのは
2006年頃になるでしょう。
その時には同社は改めて
北京オリンピック銘柄として脚光を浴びることになります。
また、収益でも2008年にかけて
北京オリンピック関連設備などのプロジェクト特需で
伸びていくでしょう。
このような企業に投資しようと考えたなら、
まだ北京オリンピックが話題になっていない間に
購入しておくことです。

今回同社はH株構成銘柄から除外されましたが、
企業に投資するときには
企業の資本金や売上の大きさだけに注視するのではなく、
実際に利益率の高い企業であれば投資を検討すべきです。

同社のように北京オリンピック特需が考えられる企業の場合は
2008年までの期間限定という投資の仕方もあります。
また、2008年以降も
収益が伸びていけるような企業であったとしたら
その時に持続して
同社株を持ち続けるかどうかを検討していけばいいでしょう。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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