イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第230回
中国株投資信託と株価

中国企業の株式に投資する投資信託の販売が好調に伸びています。
純資産残高は2004年3月末時点で6065億円となり
6000億円を超えました。
2003年末では3148億円でした。
この金額はわずか3カ月で3000億円近く膨らんでいます。
昨年募集した投信は1年間に12本でしたが、
今年に入り新規設定でも11本増えました。
中国は世界貿易機構(WTO)加盟後、
中国の高い経済成長を背景に
中国株式へ投資する投資信託に関心が高まってきています。

では中国株投資信託という商品はどういうものでしょうか。

投資信託は、株式など値動きのある証券に投資、
また外貨建資産に投資する場合もあります。
組入株式の株価の下落、組入株式の発行企業の倒産、
財務状況の悪化等で基準価額が下落し損失がでる場合があります。
また、債券に投資しているファンドは
金利変動等の値動き、組入債券の発行企業の財務状況の悪化等で
基準価額が下落し損失がでる場合があります。
どちらも金融機関の預貯金とは異なり
元金が保証されてはいません。

リスク・リターンについて見てみますと、
1.株価の変動
政治・経済情勢、発行企業の業績、市場の需給等で
短期的または長期的に大きく下落(上昇)することがあります。
株投資信託では下落した分が投資元本を割込み損失となります。
投資した企業が経営不安、倒産等で
投資資金が回収できなくなる場合があります。
(これはどこの国でも同じです。)
ですがファンドでは分散して企業に投資しますので
ゼロになることは考えにくいことです。
一方個人では投資した企業が倒産した場合には
投資金額がゼロになる可能性があります。

2.為替リスク
一般に日本円を投資するの国の(または市場で取り扱っている通貨)
通貨に両替して投資します。
このときに両替手数料が発生します。
また為替レートは、各国の金利動向、政治、経済情勢、
為替市場の需給バランスで大幅に変動することがあります。
ですから香港市場でしたら日本円が円高、円安に変動した時には
香港ドルも上がったり下がったりしますから
為替レートもそのつど変動していきます。
基本的には購入時、円高で多くの香港ドルに両替できて、
売却時は円安で香港ドルから日本円に両替できれば
多くの円に換えることができます。
為替でも利益がだせます。

3.カントリー・リスク
投資対象国、この場合は香港、中国B株市場ですが
政治、経済情勢での変化で市場が混乱する場合があります。
また新たな規制が設けられる場合もあります。
先進国と比べると発展途上国は
その比率が一般では高いと見られています。
これは発展していく上で
いろいろなことがでてくる可能性が高いからです。
そのリスク分逆にリターンも大きくなることが考えらえます。

4.売却時、または解約時
ファンドは組入証券を売却し解約資金を調達する事があります。
市場規模や市場動向での売却額によっては
価格が上下する可能性も考えられます。
個人でも市場で売買取引が少ない企業に関しては
売却がスムーズに行かないことも考えられます。

個人の株式投資と中国株投資信託との違いは、
個人の投資家が投資する銘柄を選んで投資するのに対して、
中国株投資信託は証券会社等が組んだファンドに投資し
利益を得ようとします。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2004年4月26日(月)

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