イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第253回
発展途上国から中進国へ

中国で国営企業と民間企業が自由な関係になってきたときが
日本でいえば
やくざ映画が流行らなくなった頃とダブって見えます。
日本が「発展途上国」から「中進国」に入った頃、
それが1970年代中ごろでした。

中国では経済発展、世界経済の動きが
日本とは比べ物にならないくらいに早いですから
上海万博が過ぎた
2010年以降近辺になる可能性が大きいと思います。
ですが力関係で見たときには
その後も一部の業種、国策に必要な企業で
国営企業と民間企業(私営)の力関係が
同じになっていくとは思われませんが、
精神的に大きく変わってくるでしょう。

香港市場に百仕達控股 (サイノリンク、コード:1168)という
コングロマリットの民間企業が上場していて
不動産、電力、ガス等、開発しています。
社長は大陸出身の欧亜平氏で富豪としても知られています。
中国で昔の時代でしたら
利益の出ている企業を
民間企業から国の制度で国有化にしてしまうことも可能でした。
またこのような時代が続いたことも確かです。
この時期が日本でいったら
やくざ映画が流行ったときと同じような
理不尽なことがまかり通っていた時期でもあります。

現在はこのようなことはありませんが、
もし続いていたときには
国際市場の目が大きく変わり
中国へ投資する国など出てこないでしょう。
海外の企業は中国への投資はしなくなり
国際市場からは見捨てられてしまいます。
ですから今後中国は制度的に後戻りすることはありませんが、
国営企業と民間企業(私営)では
まだ対等な立場にはなっていません。
対等な立場に変わるまでにはまだまだ時間がかかりますし、
またかかって当然です。
問題はそのような変化の中にある国が
現時点での中国だという事です。

投資から見たときには
国営企業と民間企業(私営)の力関係が
どこまで及んでいるのかも見ていく必要があります。
どこの国もそうですが自国の利益を最優先します。
中国でも開放できる業種とそうでない業種とでは
発展の仕方、成長期間でも変わってきます。
業種では石油化学の中国石油化工(シノペック、コード:0386)、
ペトロチャイナ(コード:0857)や
電力企業は国策とも大きく絡んできます。
企業の成長を見ていく上で、
国策からも見ていく必要があります。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2004年5月27日(木)

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