イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第254回
中国電信が新株を発行

中国電信(チャイナテレコム、コード:0728)は
5月末にアメリカと香港市場で新株を発行します。
アメリカでは米国預託証券(ADR)で、
ADR(1ADS=H株100株)の売出価格が29.49米ドルです。
香港市場ではH株発行予定で発行価格は2.30香港ドルです。
新株数は58億5000万株で、調達資金総額は
16億9050万米ドル(約131億8590万香港ドル)となり、
その資金は事業拡大の資金に充てます。

調達資金は親会社の中国電信集団公司から
10省・自治区の事業を買収する資金に充てる計画で、
10省・自治区というのは、
湖北省、湖南省、海南省、貴州省、雲南省、陝西省、
甘粛省、青海省、寧夏回族自治区、
新キョウ ウイグル族自治区です。

今回の売り出し前のH株数は80億2741万株でした。
ですが、今回の新株数58億5000万株が発行になることで
総株数が138億7741万株に増えます。
またH株新株発行増資により
増えた株は既存株主がすでに保有している株を
(内資株:額面1元で中国本土の発起人などが保有する株式)
割り当てて出します。
このために既存株主の中国電信集団公司、
広東省広晟資産経営有限公司、等の持ち株比率は下がります。

中国電信(チャイナテレコム)の5月25日の株価です。
・株価 2.375香港ドル
・PER 7.72倍

同社は完全国有企業の中国電信集団公司を分割して
2002年9月10日に設立された企業です。
上海、広東、江蘇及び浙江省での
市内電話、国内長距離、
国際長距離固定電話サ−ビス提供等を行っています。

他のライバル企業の25日の株価とPERです。

中国聯通 (チャイナユニコム、コード:0762)
・株価 5.60香港ドル
・PER 17.70倍

中国移動(香港) (チャイナモバイル、コード:0941)
・株価 21.35香港ドル
・PER 12.54倍

3社に共通しているのは
企業自体は非常に大きい組織で、
特に中国聯通と中国移動はハンセン指数銘柄でもあります。
PERで見ても7倍から17倍前後ですから
株価で見たときにはそう高い数字ではありません。
現在、通信関連企業は非常に競争が激しい業種です。
システムインテグレーションなどの関連データ
及びインターネットサービス事業、長距離固定電話サービス事業、
携帯電話ユーザーでの競合等で
新商品投入、開発ラッシュで市場でのシェアーを拡大し、
生き残りをかけるているような状況です。

このような企業は売上額が大きくても
利益率では低い企業が多くあります。
投資では利益率が高い企業でないと投資では魅力がありません。
売上がいくら大きくても
利益率が低い場合は投資対称企業には向きません。
競争が激しく利益が出しづらい業種は
敬遠した方がいい場合があります。
私自身は上記のことから
通信企業は購入する業種として魅力は感じてはいません。

ですが株価が大きく下がったり
将来成長が見込める場合は違ってきます。
そのような時には株価やPERで投資企業を選ぶのではなく、
生き残っていけて利益が出せる企業に投資を考えるべきです。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2004年5月28日(金)

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