イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第494回
農業

反日デモで話題になったことの一つは
中国各地で起きている暴動のことです。
中国でも貧富の格差が広がっており、
特に農村の人たちの所得と
沿岸部の裕福層との所得が大きく広がったために
改善を求めて暴動がおきています。
確かに内陸部の中で作物が作りにくいところでは
収入につながりません。
またほかの仕事で生計を立てていけるかというと
なかなか見つからないでしょう。
収入がなければ生きていくのは大変です。
ですので収入面ひとつ取り上げても
不満が出てきて暴動につながっていくこともおきてくるでしょう。
ですがそれだけで農業を見て判断するのは考えるのは片手落ちです。
そのような土地でも中国は豊かになってきています。
内陸部でも沿岸部に出稼ぎに行って稼いだお金で
家を建てたり物を買えるようになっています。
沿岸部にはかないませんが年々収入も上がってきています。

また農民が働いて収入に結びつかないのは
何も中国だけではありません。
日本の場合もそうです。
日本は第二次世界大戦敗戦後の1945年以降、
物を生産することによって大きく発展してきました。
その間日本の農業は大きく変わりました。
農村では作物だけでは現金収入が少ないために
農業だけでは生活できない家庭が多く出てきました。
ですので農閑期の間は都会に出て出稼ぎを行って収入を得て、
春には農業に戻ってまた働きます。
そのお金だって農家で得れる収入では逆に出費のほうが多くなり、
出稼ぎで得たお金を農業で食いつぶして
何とか生き延びていた農家も多くありました。
農業では生活できないのに農業をやっているのですから
いったい何のために農業をやっているのかわかりません。

農業では生活できないと見切りをつけて
都会に出て就職をする若者が急増し
農家では跡継ぎがいなくなり後継者不足となっています。
日本では農業を続けているのは高年齢者がほとんどなのが現状です。
中国のことをどうのこうのという前に
現実の日本の農業を見てから考えたほうが正確な判断ができます。
他人のことをどうのこうのと言う前に自分自身はどうか、
襟を正してからみていけば
相手の立場や考え方でも
今まで見えなかったことがわかるようになってきます。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2005年4月28日(木)

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