イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第505回
情報に惑わされない

では今回の下げでは何が株価指数を押し下げたのでしょうか。
香港市場で株価が上がった要因としては
海外からの資金が入ってきたために上がっただけです。
本来はH株企業でも
中国株本土のA株市場に上場している企業が多くありますので、
そのような企業の株価は下がっていなければいけません。
ですが、下がってはいません。
その理由は人民元切り上げ観測海外からの資金流入です。
一方中国株本土市場では
非流通株を市中に放出した時の需給悪化懸念からです。
同じ中国株でH株上場か、中国本土上場かで
株価では上がっていくのと下がっていくのとでは
180度違っています。

ですのでここから投資を考える時には
香港市場の株価が上がろうと下がろうと、
逆に中国本土B株が大きく下がろうと
それは大きな問題ではありません。
問題はこのような時大きく下がっていったときに
投資できるかどうかのほうです。
ここでは企業業績の事は問題になっていません。
ですので購入したい企業の株価が大きく下がったときには
安く購入できるチャンスになります。

また人民元切り上げが行なわれた時には
中国から海外へ輸出する業者にとっては
販売したお金に対して受けとるお金が少なくなることになります。
(元高の影響)
また輸入するが方から見れば安く中国に輸入することができます。
(元高メリット)
このような面からも投資していく企業に対して
考えて見ていく必要がでてきます。
海外へ輸出する製品を作っている業種では
家電、繊維、アパレル、そのほかの製造業等があります。
輸入する業種では石油、食品、電力・ガス(一部)等があります。
また輸出入を同時に行なっている業種もありますし、
輸出入の影響を受けにくい業種では
高速道路、電力、建設、観光、不動産などがあります。
同じ企業でも内容によっては
輸出と輸入を同時に行なっている場合がありますので
この辺もチェックしておく必要があります。

今回の人民元切り上げ問題、
非流通株放出問題で株式市場の指数では
変動が出てきています。
ですが、このような変動は今後もほかの出来事で起きてきます。
このようなことで一喜一憂するのではなく、
株式市場がどのような影響を受けて
株価でもどこまで下がっていくのかを見て
判断していくことが必要です。
4月には反日デモで
中国自体に投資できるかどうかが一番の問題でした。
ですが、1か月もたたないうちに今度は今回の出来事で
市場では投資に対しての見方、考え方が違ってきています。
情報に惑わされないことが投資していく上でも大事です。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2005年5月13日(金)

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