イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第510回
ゼロサムゲーム

投機筋のヘッジファンドは利益を拡大させるために
できるだけ多くの借入金を行い運用します。

ですが、ある程度金利が引き上がりますと
収益を上げていくことが難しくなりますので
資金を引き上げて手仕舞いします。
実際にアメリカの金利引き上げを受けて
ヘッジファンドの運用はこの2ヶ月ほど悪化してきています。

原油先物相場は昨年から大きく上昇し、
一時は1バレル57ドル台となり
先々は100ドル台を越えていくというふうにも言われていました。
またこの価格に対しては投機資金が入ってきており
実質価格から10ドル以上値上がりしていました。

投機資金は投資した商品が今後大きく値上がり、
または値下がりしたときに買い、
または売って値上がり分、または値下がり分が利益になります。
たとえば原油価格であれば今後大きく上昇しそうであれば
安いうちに購入しておいて高くなったら売却して利益を出します。
また下がると思えば売りから入り利益を出そうとします。

株式投資でも同じで今後上がると思ったなら安いうちに購入し、
高くなったら売れば利益になります。
また、株価でも今後下がると思ったなら
信用で高値で売っておいて安くなったなら買い戻せば
その差額が利益になります。
つまり株式投資では買いでも売りでも利益が出せるような市場です。

ただし、中国本土株式市場のような
信用取引がまだできない市場では
売りから入ることはできませんのでこの投資方法は使えませんが。

また、為替でも先物で売っておいて下がったなら
買い戻し利益を出すこともできます。
1996年のアジア通貨危機のとき
投機筋のヘッジファンドはこの方法を使って
大きな利益を手にしました。
このときは狙われた国で
タイや香港では国が損害を受け投機筋が大儲けしましたが。

ですが、この行為はうまくいけば
大きな利益を手にすることができますが、
失敗しますと大きな損害につながります。
基本的にはトランプゲームのばば抜きと同じ原理です。
如何に高いときに売れるか、また安いときに売れるかが勝負です。
もし投機筋で最後に一番の高値、
または安値で購入しその後下がっていったなら、
または上がっていったなら
その投機筋の商品は誰も買い手はいませんので
大きな損害を受けます。
誰かがばばを引き抜くまでこの投機は続きます。

ここでは誰かが儲けたか、誰かが損をしたか。
儲けた投機筋は
損をした投機筋(または個人)の利益を受け取っただけですから
ここではプラスマイナスゼロになります。
この行為をゼロサムゲームとも呼びます。
では中国株式市場の投資ではどうでしょうか。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2005年5月20日(金)

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