前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第18回
私はそうは思わない

日ごろ耳にするこの言葉ぐらい、
デンマーク人の性格をよく現しているものはないです。
この何年間で何度か
EUへの参加・不参加を決める国民投票がありました。
多大多数の政治家や新聞が、
EUの正規会員になることや
ユーロ通貨に移行することの利益を熱心に説きました。
投票の前には賛成しない時の不利益を知らせることで
脅してきました。
でもその度に、すったもんだの挙句の果てに、
やっぱり結局否決され続けてきた原因は、この国民性にあります。

私が35年前に来た頃は、この国は有数の長寿国でした。
でも平均寿命はドンドンよその国に追い抜かれて行って、
なんと今では西ヨーロッパではどん尻に近くなってます。
原因のひとつは、
いくらタバコの害を説いても吸う人が減らないせいらしいのです。
未だに病院にまで喫煙室があって、
エレベーターからその階に降りると、
煙がウワーッとせまってきて目にしみます。
公共の場では総て禁煙という法律がやっと議題にのるようですが、
可決できるでしょうか?

また、この前の狂牛病騒ぎの時は
ヨーロッパ中の牛肉の売り上げが激減したのに、
デンマークでは売り上げがほとんど変わらなかったとのことです。
マスコミでも今では
あんまりセンセーショナルな記事として
取り扱っていないようです。
まあ確かにこの頃では
「ステーキを食べてるよりも魚を食べた方が安全だ」とは
言いきれないのでしょうが・・・。
誘導されるというのが嫌で
「私はそうは思わない」と、
オーソリティのにはとりあえず反発しておくのです。
他の場面でも普段の会話に頻繁に出てくる言葉です。
日本では今も吉野家が牛丼をやめてるときいてますが、
なんだか随分違うでしょう?
でもその反対に相手の言う事が「もっともだ」と思ったら
相手の年齢や好き嫌いは関係ありません。
初心者と経験者でも外国人でも同じことです。
相手のもっともな意見は
そのまま自分の意見にもなっているのが良いところです。


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2004年8月11日(水)

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