前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第19回
随分違いますね

若い人には今は昔のお話になりますが、
ナチス・ドイツが
ヨーロッパのほとんどを支配下に収めた時の逸話です。
デンマークでも
「ユダヤ人達を強制連行するから、協力するように」との布告が
出たことがありました。
その時も若者達は逆らって、
危険を冒して小さなボートにユダヤ人を乗せて、
スウェーデンに脱出させてしまいました。
これも権力に尻尾を振らない特徴の現われですね。

今でも毎年春になると、
ユダヤ人協会は感謝の式典を現地で行ないます。
先日もテレビニュースでは、
すっかりおじいさんになった当人達が
出航した現場に出てきて
「若かったから、危ないなんて考えないもんなー」とか
「この記念碑は何のことかよく解らんのー」とか言ってました。
かと思えば近くの体操場では、
中学生が授業で走り高跳びをやってるのに、
ばらばらの服装で態度もてんでにバラバラです。
先生が「ほれ君の番だ」といってもおしゃべりを続けたり
「あたし、やりたくないもん」とか、なかなか先生も大変だ。

また別の面を描いたエピソードをあげると
「ヨーロッパ一日5ドルの旅」を書いたアメリカ人がいますが、
その著者はデンマーク人を指して
「世界で一番幸せな人々」とよんでいます。
楽天的で親切な様子がその様に映ったようです。
旅行者でも初めて会った人でも
まずオープンマインドで接するのはこの国の特徴です。
この点はスウェーデンやノルウェーとは異なります。
私がスウェーデンを通り過ぎてデンマークに来たのも、
ユース・ホステルでデンマーク人と簡単に知り合って、
彼らの家に居候することを勧められたからでした。
とっつき易いのです。
そこには三ヶ月もお世話になって、
りんご畑でアルバイトしてから全寮制の国民学校に入りました。
成人教育の一環で十六歳以上の人が
普通の学校のカリキュラムと違う授業を受けるのです。
そこの学校での体験が信じられない程に興味深かったので、
そのままデンマークに住むようになりました。
こんな具合に日本人とまったく違うところが色々あって
「そうすると、こういう時はどういうことになるのか?」と
比べるのは面白いです。


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2004年8月12日(木)

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