前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第23回
バブルは弾けました

統計によると、日本からの旅行者はデンマークで
一人一日で平均五万四千円ほど使うそうです。
そしてこの額は旅行者の中ではダントツだそうです。

日本がバブルで景気が良かった頃は、
日本人の団体の行くお土産屋さんは
一日で何百万円とか売り上げがあったそうです。
デンマークのお土産の代表は
陶磁器のローヤル・コペンハーゲンや
銀器のジョージ・ジェンセンなどのハンドクラフトです。

バブルと言えば、
こちらのソフトボールのチームで
「デーニッシュ・バブルス」という面白いチームも有りました。
当時の日本の証券会社の人達のチームでした。
ソフトボール大会は日本人会主催の年一回の親睦の行事で
十二チームくらいが出場するのです。
その頃は景気が良くて
各会社から色々な賞品を寄付していただきました。
でも数年続いたこのチームも
「本家のバブルもはじけたことでもあるし」という口上を添えて
チーム名を改正しました。
それから数年後には日本の証券会社そのものも、
コペンハーゲンから撤退して行きました。
私達のチームにはプレイ・グランドの元子供達や
うちの店員だったケンやレーナがいます。
私が昔教えていたデンマークの少年少女のソフトボールチームも
今は青年、中年になって一つのチームを作っています。

さて、ローヤル・コペンハーゲンやジョージ・ジェンセンの製品も
今では日本で売っている値段も下がりました。
日本のバブルもはじけて日本人観光客が減りました。
その上テロやSARSが追い討ちをかけてきて、
お土産屋のバブルも弾けてしまいました。
代って目に付くようになったのは中国大陸からの観光客です。
コペンハーゲンの街中には
無料の貸し自転車が置いてあるのですが、
全員が背広姿の中国人団体
(何故か中年男性ばかりの団体が多い)が、
真面目な顔で自転車をこぐ姿は壮観です。
デンマーク人が立ち止まって中国の観光客を見物しています。
コペンハーゲンには背広姿は少ないのです。

以前、総理大臣の
自転車にヘルメット姿の通勤姿が紙面を飾りましたが、
背広で自転車をこぐ人はもっと少ないです
この頃は日本人も戻ってきたし、
中国の人も気に入った物があるとどっと買い漁るので、
お土産屋も一息ついているでしょう。
ある時ロイヤル・コペンハーゲンに中国の団体が入ったら、
琥珀のアクセサリーに人気が集中しました。
琥珀の陳列してある棚の端から端までを
奪い合うような勢いで買っていったそうです。


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2004年8月18日(水)

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