前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第94回
警察に行こうじゃないか

食事が終って鳥類ガイドの男の話を聞くと、
半額払えと言います。
今日の2時間でこの国の職人の一ヶ月分の収入が入るはずが、
当てが外れたのでカッカとしているようです。
私達は「メイ ビー」と言ったことや、
電話を掛けたことを説明してもだめでした。
電話の件は嘘と思われているのかもしれないと思い、
ホテルのレセプションに一緒に行ってもらいました。
レセプションのいつもの若い女性は、
電話が繋がらなかった事を覚えていましたが、
それでも男の気は治まりません。
レセプションの女性は払ったらどうかと言います。
何でそういうことになるのか納得できないので、
もう一度「いやだ」と言うと
ガイドは「警察に行こう!」と言い出しました。
妻はそれを受けて
「おお、行こうじゃないか!」と、威勢がいいのです。
でもその前に、
デンマークの旅行会社のガイドに来てもらいましたが、
それでも埒があきません。
親切な若い女性のガイドは実は休日でしたが、
一緒に警察に行ってくれました。

小さな木造のガンビア国立警察署は歩いてすぐそばに有りました。
警察官は建物の外のテーブルに向かって座っていました。
警察との長い話の途中で大男が、
7、8歳の泣きべそをかいた男の子を引きずるようにして
小走りにやってきました。
子供の顔半分は出来たての傷があり、赤く腫上がっています。
「なんだか、かんだか!」
と大男は警官に言って、その合間に子供に手を振り上げました。
殴りこそしませんでしたが、
子供は激しくおびえて顔を隠しました。
どうも子供が泥棒でもして、
大男はそれを言いつけにきたようです
「すごい所に来たな」と驚き、あきれ、
同時に悲しみの感情に捉えられて、私達は立ちすくみました。
彼らは別の警官に導かれて建物の中に入っていきました。

私達の件については警官は
「ここは商談について審判する所ではない」と言いました。
もっともな話です。
そして「こんなに何度も言ってるのに分からんか!」と
鳥類ガイドを叱りました。
帰り道でもその男はくっ付いて来て悪態をつきましたが、
後ろの方から警官が
「近づくな!」と命令してくれて
やっとその場も収まりました。


←前回記事へ

2004年11月25日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ