前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第130回
安心の値

“2003年6月から2004年6月まで住宅の値段は、
香港が28.7%の値上がりで、日本が6.4%の値下がり”
これはザ・エコノミストの統計、
とデンマークの新聞にありました。
日本はまだ下がっていたとは知らなかったです。
デンマークは5%の値上がりだそうです。

日本のように景気の好かったことの無いコペンハーゲンでも、
10年から15年前までは、不動産の値下がりが続きました。
私の友人が、
結婚するので独身時代のマンションを売ろうとしたら、
お金をつぎ込まないと売れないことも起こりました。
頭金を10%払ってあり、
5年住んでも借金の方が売値より大きかったのです。
日本と比べると元々3分の1ぐらいだったのに、
“不況だとまだ安くなるものだなあ”と驚きました。
デンマークは今でも6割が固定された利子でローンを組むので、
利子の上下による不動産の値の上下は少ないのです。
それでもコペンハーゲンのマンションの値段は、
少しずつ上がって、10年間でなんとか176%になりました。
友人が売り払ったあたりが底だったようです。
デンマークでは3年前に初めて変動制の利子が認められて、
不動産の値を上げる力になりました。
安全な固定制より利子が安いので、年の支払額が下がったのです。
今はコペンハーゲンのマンションの値段は、
平均で平米あたり40万円弱だそうです。

日本で一軒家やマンションを買う場合は、
返済額が生活費の25%になると苦しいとのことです。
私達が初めて家を買ったのは1978年ですが、
最初の頃は給料の手取りの60%が返済にまわりました。
それは総収入の50%にもあたりましたが、
利子の全額が控除になり、
累進課税のトップのほうを削ってくれたのでした。

結局、税金が高くて福祉が整っていると、
切り詰めることに不安がないのです。
すると予備費がいらないし、
医療費や交際費がほとんどいらないので、そんなに困りません。
逆に日本だったら、入院したときの用意に数百万円、
老後のために数百か数千万円、と蓄えるでしょう。
出産、学費、交際費と出費があると、
手取りが多くても、
心配性の人は安心してお金を使えなのではないかと思います。


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2005年1月13日(木)

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