前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第135回
お自動さんよりお不動産

久しぶりの日本で、妻は走っている電車から外を眺めていました。
そして町に真新しいお地蔵さんが立っているのを見て、
最近の日本の懐古趣味かと思ったそうです。
それが「お自動さん」で、
簡単にお金を貸してくれる、有り難い地蔵さんなのでした。
でも、後で少々高い利子を付けて返すわけですね。
“経済観念がなくて不労所得や財産も無い”
そういう普通の若い人がお自動さんのお世話になるのですか。

日本のバブルが弾けて10年経っていました。
私は日本の不動産の値段は底値も近いと判断していましたが、
実際に住んでいない国で買うのは難しいと思っていました。
でも、ひとつ試しにマンションを買ってみたいのでした。
東京に住んでいる妻の弟に相談したら
「そんなに簡単なものではない」と言われ、
心得違いを正されて説教されました。
それはもっともな意見なので、それで諦めました。
借主がヤクザとか、部屋を傷つけて汚し散らす学生だったり、
家賃は入らんわ修理費はかさむわ、となったら困るやないですか。
不動産屋に騙されて、
ボロマンションを買い込だら困るやないですか・・・と、
取り越し苦労の種も尽きないのでした。

ところがそれからまもなく、
大阪に住む友人に住むところがなくなる、という話を聞いて、
再びその気になりました。
私は“マンションは、数年はまだ下がるけどそこで底を突いて、
とりあえず何年か横ばいして、又上がる”と予想しました。
友人は綿密に調べて買い物をする人だったので、
自分の住むところは、
私達が捜すよりしっかりと選んでくれることは確かでした。
友人が飛び込んだ店は、千里ニュータウンを中心とした、
地方密着型の会社でした。
偶然にもたいへん良い不動産屋で、
慣れない日本での買い物も1日で無事に済みました。
最高値から比べると
信じられない程の“お買い得”というような値段でした。
それでも、買ってから、まだまだ、どどどんと下がりましたです。
これでは不動産に頼るより、
お自動さんの世話になっている方が、ましだったことになります。
年をとって、仕事も無くなり、福祉も頼れない時のために、
お不動産に頼ろうとしたのですが・・・。
でも、家賃が銀行口座に振り込まれてくるので、
使うことが出来るのは良かったです。
下がった株なら配当もあやしいでしょうから。


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2005年1月20日(木)

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