前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第184回
東京の物価

スイスの銀行が3月1日に、
都市の物価と、そこに住む人の収入のランキングを発表しました。
それによると、東京の物価は世界で3番目に高いそうです。
しかし、この統計には、
東京の給料が上位10番内に入っていないのがおかしい気がしました。
統計の間違いでなければ、
東京は物価が高くて、
給料は他の物価の高い町と比べて7割以下ということになります。
ユーロ圏に対して円の目減りがあったので、
東京の給料が少ないことになったのでしょう。
アメリカの都市もドルが下がったので、
欧州の都市に比べて随分低くなりました。
ニュ−ヨークは1番高い北欧の町に比べると、
物価では20%、収入では28%ほど低くなっています。
外国の町の物価は旅行者には密接な影響があります。
そして、外国で働く人や会社も、
本国と住む国両方の物価と収入が大いに関係有ります。

このスイスの銀行のランキングは、
国際化が進んできた現代になって、
多くの人の生活に密着した意味を持ってきました。
今まではどの町が世界1の物価だ、収入だ、と言われても
“フーン”で済ませていたのが、そうもいかなくなります。
私がデンマークに来た頃と比べると、
ドルは3分の1以下になりましたが、
デンマーククローナも3分の1近くに下がりました。
両替したデンマークのお金は、
日本に持ってきても使いでがなくなってしまいました。
昔は日本に帰ってきたら、
2年分のシャツやジーパンや電気製品を買い込んで、
重たいトランクを引きずって帰りました。
今は本と日本でしか買えない食品ぐらいしか買うものがありません。
以前は郵便局から送っていた本を、
トランクに入れて帰るようになったので、
やっぱりトランクは重いですが。

東京は円が下がっても物価はトップに近いということは、
やはり異常に物価の高い町だったのですね。
“これを何とかしよう”というより、
“物が売れなくなったので安く売って儲けよう”という、
お店の「価格破壊」が始まりました。
しかし、「破壊」というオーバーな言葉よりも、
よそと比べると「適正価格」くらい表現が適正でしたか。
商品だけが適正の売値になっても、
その他の経費が元のままだと
店にとっては「適正価格」ではなくて、苦しかったようですが。


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2005年3月30日(水)

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