前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第219回
18歳・7−イレブンを貰った女性

7−イレブンはコペンハーゲンの街に、
ぽつぽつと目に付くようになってきました。
私は“ヨーロッパの中心から田舎の北欧にも進出してきたんだな”
と思っていましたが、それは誤りでした。
7―イレブンはヨーロッパでは北欧三国にしかないのだそうです。
幹部の説明では、
ドイツ、フランス、イギリスは特に進出したいのですが、
パートナーが見つからないということです。
元が米国なので、デンマーク人は米国のものと思っているようで、
アンチ・アメリカデモがあると、風当たりがきついです。
新聞には「日本資本の7−イレブン」と、書いてありましたが。

7−イレブンはデンマークでは苦戦をしていて、
オープンして11年目になりますが、
去年初めて黒字になったそうです。
コペンハーゲンのキオスクは外国人の家族経営が多いのですが、
デンマーク人が店を閉めた後でも、彼らは遅くまで開けています。
法律が変わって、普通の店は閉めなければならない日曜祭日も、
小規模店なら開いてよくなりました。
八百屋や雑貨屋の外国人も、デンマーク人の店と違って、
この法律を利用して、しばしば日曜祭日でも開けています。
彼らは税金の少ない国からきているせいか、
25%の消費税を出来るだけ節約しようとする人が多いようです。
清涼飲料は消費税以外の税金も掛かるので、
東欧と非常に値段に差が有るので、
東欧からの密輸はおびただしい量になるのです。
7−イレブンの苦戦の大きな原因のひとつは、
税金を払ってそういう店と競争するからなのでした。

7−イレブンは昨年、成績の良い店員に賞品をあげる事にしました。
1等の賞品というのは
「街中の店を一軒、最優秀の人に進呈します」というものでした。
結果は、7−イレブンの幹部にも意外だったことに、
18歳の女性が1等になりました。
彼女は
「私は、いつでも店に立つと、
何かしら改良するところが目に付くのです」
とインタビューで語りました。
才能豊かな18歳なのです。
こうして彼女は、18歳で私の家の近所の7−イレブンの店長になり、
自分のものになったその店を、元気に指揮しています。

7−イレブンはデンマークでは500店を開く予定でした。
しかし、売り上げ不振のために、
今までに47店しかでオープンできなかったのですが、
今度、一気に数が増えそうです。
ガソリンスタンドのQ−8の売店を受け持つ契約が出来たので、
たちまち256店増えて、目標に近づくそうです。


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2005年5月18日(水)

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