前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第251回
警官は××してよいか?

2、3年前のテレビの街頭インタビューで、国名は忘れましたが、
2人の回教徒の女の子が結婚について質問されていました。
「ここに住んでいる女性は、
どうしてデンマークで結婚相手を選ばないで、
あなた方の国に住んでいる人と結婚するのですか?」
家族の呼び寄せを認めていたので、
外国人の数が爆発的に増えていた頃でした。
「なぜって・・・」
こんなことを言っていいものか、というように2人は顔を見合わせて
「・・・ここに住んでいる(私の国の)男の子は皆犯罪者だから」
と、答えました。
私は”まさかそれ程ではなかろうが”と、思いましたが、
その頃すでに、そう語る中近東の若い女性達がいたわけです。

そして現在、コペンハーゲンの警察の発表では、
18歳以下の子供の犯罪が増えて、
なんと、その8割が外国人だそうです。
警察は子供のうちに犯罪の目を摘み取ろうとして、
実質的に家庭内を取りしきっている
母親との話し合いをアレンジしました。
連絡してもなかなか接触出来ないのですが、
思い切って会合に出てきた3人の母親の話を聞いて、
警官はビックリしました。
母親達は通訳を通して質問したのですが
「ポリスは刑務所では女性を強姦してもよいのか?」
「ポリスは私達を殴ってもよいのか?」
「子供を刑務所に入れるのか?」
と、警察を誤解して、恐れていたものばかりだったのです。

亡命者援助組織のリーダーによると、
イラクやパレスチナなどから来た女性は、
母国の日常感覚のままで生活しているそうです。
会合に出てこない母親も話し合いの出席者と同じで、
道を警官に尋ねるのも、デンマーク人教師と話すのも怖いそうです。
デンマークには秘密警察があって、
両者を含め、
政府の機関はすべて裏で繋がっていると思っているそうです。
住民組合の指導者(回教徒男性)とその問題を討論しようとしても
「警察を恐れているという事実はありません」
と、取り付く島が無いようです。

しかし、ここにひとつの将来の希望があります。
今年も、大学入学資格試験の
合格者発表の季節(6月中旬)になりました。
今年の合格者は、回教徒を中心とした外国人2世が多くて、
しかも、その増加率が昨年の26%増しだそうです。
特に女性が大変多いのです。
このような女性達は、
学業でも社会でも高い目標をクリアしてお手本になり、
新しい世代を教育していくでしょう。


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2005年7月1日(金)

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