前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第255回
酒飲ませろストライキ

この6月に、ノルウェー・デンマーク間の客船など、
続々と船の乗務員の酔っ払っいパーティーが発覚しました。
撮影した人がいて、テレビでその場面を見ることができましたが
「ベロンベロン」とう感じで、皆で笑いこけているのでした。
船には酒飲みは似合いますが、
これでは非常事態があっても乗客を助ける役に立たないのです。
これからは厳しくコントロールするようです。
以前、ロシアの操縦士が
ほろ酔で飛行機に乗り込むところを見たことがありましたが、
今度は「酔いどれ船」でした。

デンマーク人は
「アルコールがただで飲めるとなると、見境がなくなる」
という話はよく聞きます。
パーティーになると
「お酒がなくなるまで粘る」というのは以前に書きました。
そのうえに
“最後の1本を誰がとるか、その事が頭から離れなくなる”
と、皮肉屋のデンマーク人は言います。
それで「見境なく取り合いになる」というわけでは
全然ありませんが、
そのことが気になって意識から離れないと言います。
これは大酒飲みに共通したものか、
自分に素直な(?)デンマーク人の特色なのか、
それともデンマーク人の法螺話なのか。
そのあたりは、それ程酒好きでない私には分かりません。
お酒に強い人が多いのですが、
飲んだら内臓は無事にアルコールを処理できても、
身体の反応は鈍くなります。

デンマークには幾つものビール会社がありますが、
従業員は1日2リッターのビールを飲む権利があるのだそうです。
有名なカールスベルグやツボルグでは、以前と違って、
これらの生産工場ではビールを飲むのは禁止されています。
食堂で飲むのは自由ですが、
会社で飲まない人は、ビールでも清涼飲料水でも
6本までは持ち帰ってもよいそうです。

カールスベルグのコミュニケーション・チーフは
「基本的には、血液内のアルコール度が、
車の運転違反になる濃度になるほど飲んではいけません」
と基準を説明しています。
同じカールスベルグでも、
他の北欧三国工場やイギリス工場では、飲むのは一切禁止です。
デンマークでも職種によっては、
勤務時間のアルコール一切禁止するところも多くなりました。

ところが、業界3、4番手のハーボーという会社では、
今まで、仕事中も自由に飲んで構わなかったのでした。
それを禁止するというので、
この6月に、従業員が抵抗して1日6本の権利のために、
ストライキが始まりました。


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2005年7月7日(木)

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