前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第267回
何でも偏見という偏見・日本人

7月10日第1045回の「ハイハイQさん」の質問に
「海外の偏見について」の質問と答えがありました。
日本人に限りませんが、外国人との間で何かあると、
“これは人種偏見だ”
と、決め付け過ぎる場合が多いのではないでしょうか。

この質問から思い出したことがありました。
大分前ですが、
リスボンの駅でエストラルという街行きの切符を注文しました。
言葉が通じないので行き先を書いた紙を渡して、
大きなお札を出して切符を二枚貰いました。
そして、プラットホームに向かって歩き始めると、
不意に誰かに後ろから声をかけられました。
振り返ると、地元の人らしい、中年の女性が怒った顔をして、
早口で何か話しかけてきました。
私達は身に覚えは無いのだけれど
“何を怒ってるんだろう?”と思いながら、話を聞いてみました。
ポルトガル語交じりの英語らしいのでした。
しかし、息せき切って追いかけてきて、その上に興奮して話すので、
何を言っているのかさっぱり分りません。
おばさんもそれに気づいて、
長話を止めて「切符を見せろ」と言いました。
手にした切符を見せると、頷いて「ついて来い」と言います。
何が何だか分りませんが、二人で後を付いて行くと、
先ほどの切符売りの窓口に戻りました。
そして、私から切符を奪って、切符売りに見せて
「何だかかんだ」と激しい剣幕でどなりつけました。
どうもおつりをごまかしたようです。
切符売りのおじさんは、さすがにばつが悪いのか、
表情を抑えた顔で、しかし、素直にお金をこちらに差し出しました。
おばさんは強いのです。

この場合は切符売りの人種偏見というより、
呑気そうな外国人旅行者を見て、
ついその気になったのだと思います。
しかし、このように騙されて、それに気づいた場合は、
これを「差別」と、とる人が割と多いのだと思います。
私達の場合は、
おばさんがいなければ騙されたことさえ知らなかったので、
めでたしめでたし・・・と、おめでたいのですが。

この義侠心に富んだおばさんは、私達と同じくエストリルに行き、
ボーイフレンドに会うところでした。
出迎えに来ていた、
ボーイフレンドのカブト虫型の車に乗せてもらい、
「地獄の入り口」という絶壁で降ろしてもらいました。
「地獄の入り口」は看板倒れでしたが、
絶壁の下の深い紺青の海の眺めは、
立ち去りがたい程美しかったです。


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2005年7月25日(月)

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