前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第288回
情報化時代の中国人

「これで今まで100年間積み重ねてきた中国人の良い評判が、
一気に落ちた」
と、長い間住んでいた中国人を怒らせた事件が、
つい最近ありました。
デンマーク人の知っている中国人は、
レストランやファストフード店などを起業して良く働き、
社会保障には頼らない外国人でした。
「見えない外国人」と、呼ばれ、
自力で生きていく静かな模範的な移民としての中国人だったのです。

それが、汚職の数が世界で一番少ない北欧人をも汚職に引き込む、
賄賂パワーを発揮しました。
たくさんの若い中国人が、
数人のデンマーク移民管理局員を買収して
滞在許可を貰っていた事件が発覚したのでした。
中国から組織的に大量の偽学生が送り込まれていますが、
彼等の偽ビザを、仲介者が組織的に賄賂で延長したのでした。

密輸や泥棒や強盗の目的でやってきたり、
働かないで社会保障を貰う目的でやってくる外国人が
かなり多いのが実情です。
勉学の名目でやって来て働くのはたいしたことではありません。
しかし、最近は中国人の数が多すぎました。
数少ないデンマークの大学には外国人しかいない学科もあって、
その過半数が中国人だということです。

元々大変濃い情報が人から人に伝わる中国人社会でしたが、
インターネットの時代になって情報量はすさまじくなりました。
中国語のインターネットの掲示板にはデンマーク国内の
「仕事売ります」、「滞在許可売ります」の広告が溢れました。
「仕事を辞めるので代わりに働きたい人はいませんか?」
という広告に
「同じ中国人なのに、給料の50%も取るのはひどい!」
という書き込みもありました。
50%なんて可愛いものです。
仕事の無い西アフリカでは
「給料の2月分が相場で、雇って貰うためにお金を払うのです」
と、地元の人が嘆いていました。

このデンマークの新しい中国人社会では、
相場は月給の20%だそうです。
学生は2百万円まで無税なので、
学生の税金カードも売られていました。
こういったことを憂慮して、
即座に9つのデンマーク在住中国人組織が
合同で緊急会議を開きました。

デンマークの記者は、不正を弾劾するよりも、
中国人の情報を駆使する能力と、
組織を造り、運営する能力に舌を巻いていました。


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2005年8月23日(火)

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