前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第292回
日本もEUも政治家には困っています

孔子は当時の政治に携わる人々を
「語るに足りない」人達としましたが、
現代では少しはましかと思います。
しかし、デンマークからEUに送られる政治家を見ていると、
人間性や能力などにやや問題のある人が多い気がします。
ほかの国からEUに送られてくる人材も
似たようなものかもしれません。
影響の大きい法律をドンドン決めていくのですが、
失敗が多いのです。

日本では政治家や官僚が、
ソフトランディングしなければならないところを、
足を引っ張りました。
それでよけいハードな着地をしたので、
日本経済は被害が必要以上に大きくなりました。

EUの政治家も雑で見当違いの失敗が多いように思います。
昨年の中国からのテキスタイル製品の輸入は、
EUでは規制されていたにもかかわらず2兆円もあったそうです。
衣類の輸出の方はたったの60億円で、
たくさんのテキスタイル工場がつぶれ、
昨年は16万5千人が失業したそうです。

それを承知でEUは、
まず、今年の1月から中国の衣類の輸入を完全自由化して、
被害を大きくしました。
衣類は津波のように入ってきて、
生き残った工場も壊滅しそうなことにやっと気づきました。。
これには南欧の抗議が激しく、
決議で25のうちの23カ国が賛成して、
今度は7月11日にやはり規制する、と決めました。
イタリア、フランス、スペインなどには
依然としてテキスタイル工場がたくさんあり、
そんなにたくさん一度に職代えできないのです。

そして8月6日には今年の規定量に達してしまいました。
困ったのは輸入に頼っている会社で、
特に再規制になる前に注文して、代金も払ってある会社です。
9月半ばから冬物を売り出さなければなりませんが、
港から入ってきません。
8月中旬の現在で、
EUでは4千4百億円もの衣類が釘付けになっているそうです。
おかげで今度は北欧のモードハウスが危機に陥り、
デンマークではこの10月には
潰れる店が出始めるだろうとのことです。


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2005年8月29日(月)

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